今回、面白い話を思い出しました。
優秀なライオンは「食べる行動、寝る行動」をなかなか見せない
その話を思い出し、読み解いていくうちに、生物の中で優秀な個体(魚で言うとビッグフィッシュ)には共通の生き方があるというヒントを得ることが出来ました。
多くの釣り人が大型の魚を釣りたいと願っていると思います。
そうした方に、少しでもヒントになればと思います。
ロックフィッシャー、バサー二つの目線で書きました。
この記事で表現されるビッグフィッシュとは環境によりサイズの価値観が変わります。
産卵期を迎える魚を狙い打つ
産卵期というのは、大型の魚を狙うのに適している時期です。
海のルアーフィッシングに関して言えば、岸からあるサイズ以上の魚を狙おうとすれば、必然的に産卵期しか釣れないというのはよく知られた話です。
例えば、クロソイなどの大型は、産卵期のタイミングでしか岸に寄ってこなかったりします。
一年を通して、ほとんどの時間は深場で過ごしているのです。
これと同じことがブラックバスでも起きます。
例えば、山梨県河口湖でロクマル(60センチ以上)の魚を確実に狙うには、春の産卵期以外考えられないと言います。
それだけ、産卵期は魚の行動範囲を理解しやすくイメージしやすい時期なのです。
反対にビッグフィッシュの普段の生活では、人の手が入りにくい深場や時間帯に行動しているということでしょう。
このように、ロックフィッシュ 、ブラックバスに共通しているのは産卵期は浅瀬に来るということです。
浅瀬に来るにはいくつもの理由がありますが、バスを例にとれば、水温、敵からの攻撃を予測しやすいと理由が最も大きな理由です。
温まりやすい浅瀬は、水温で孵化する卵にとって最高の状態です。
また、太陽の光も直接卵に当てることも出来ます。
また、浅瀬は卵を食べる敵の位置を特定しやすいのです。
以前、ブラックバスのオスが守っているベッドを動画でとり、観察していたことがありました。
その個体は卵を守っているように見えましたが、僕が覗くと上目遣いで僕の方を観察したり、見ていました。
見えるか見えないかのギリギリのところまで下がり、しばらく観察していると今度は深場の方に意識を向け、ウロウロし出しました。
つまり、本来卵を守る時に意識しているのは、ベッドより深い所、という認識がバスの中にあるということでしょう。
自然の摂理を理解する
突然ですが、あなたは人間の世界で億万長者が食事をしていたり、寝ているシーンを見たことがあるでしょうか。
自身がそうでないという人以外は、まず見たことがある人はいないと思います。
テレビなどでも同様です。
本物の億万長者は寝る、食べるという本能的な行いを見せることはないのです。
これはどの時代の貴族、王族などにも当てはまることで有名です。
しかし、ご安心ください。
私も見たことありません。笑
何が言いたいんですか?
と思うかもしれませんが、これは人間、動物の自然の摂理だということです。
一年くらい前に「ライオンは寝る食べる姿を見せない」という内容が書かれていた本を読んだことがありました。
その際に、優秀なライオンは食事をするシーンでさえも、なかなかカメラや人の目で、とらえることができないという内容でした。
なんか、ふと思い出したために記載しますが、「これはどの生物にも当てはまるな・・・」と感じました。
つまり、魚も一緒です。
ロックフィッシュ、バスの大型の魚には、自分の縄張りを持っていて、そこをテリトリーにしている個体が多いと言います。
なぜなら、大型の個体には良質な餌場と良質な隠れ家が必要不可欠だからです。
どういうことかと言いますと体を支えるだけの餌の量をとり、かつ安全な場所という一等地は、他の同種の魚と共有ができないのです。
そのため、自分のテリトリーを持ち、そして、他の個体とは全く違う考えと行動特性を持っていると思います。
そして、場所の条件としては、勝手に餌が流れてきたり、勝手に入ってくる場所が理想の場所です。
だからこそ、大型になったとも言えるでしょう。
これは、他の生物からしたら、身を隠せて、食べ放題というかなり非常識な生き方と言えます。
こうした非常識さを知っておくと、小型、中型の個体を釣るノウハウはビッグフィッシュには通用しないことも多いということを知っておく必要があります。
例えば、ビッグフィッシュ=デカイルアーという図式がよくありますが、それは正解だと思います。
デカイルアーにしか反応できない個体を狙っているという意味では正しいです。
しかし、デカイルアーだからデカイ魚が釣れるという理由で使うという思考は短絡的です。
先ほどから述べているように、大型の魚、生物は行動様式そのものが違うということを理解しておかなくてはいけません。
それも、全てに共通して言えるのが、大型の魚は生き方に対するルールがないのが現状だと思っています。
例えば、野池で大型に育つ個体と湖で大型に育つ個体と比べた場合、生き方が違います。
この話を応用し釣り人視点に戻ると、どちらの環境が良い悪いの話ではなく、その環境の中で最も効率よく餌をとれ、身を隠せるのかという点にフォーカスすれば、大型の魚の生き方を見つけやすくなります。
ルールはなくても、ヒントは餌と身を隠す場所です。
海でも一緒で、膨大な広さの海の中で大型に育つ個体は遺伝子レベルで優秀です。
そうした個体がどんな行動するのかを知るためには、効率よく餌を食べられる場所、身を隠せる場所というのが大ヒントとなると思います。
また、小中型のノウハウを持ち込んでは大型の魚に辿りつけない可能性が高いです。
生き方そのものが違うのですから、これまで常識とされてきた釣りを疑う必要があります。
水族館などのメバルを観察していると大型のメバルほど、一級の岩の中や一番餌が食べやすい水面下に浮いていたりします。
それは水族館という特殊な場所に対応した結果なのでしょうが、効率よく身を隠して、食べる時は一番に食べるという行動をしている他ありません。
また、クロソイを例にすると、僕の経験では産卵を絡んでいない個体に関しては深夜2時の潮止まりなどのかなり非常識な時間に釣れていたというのを見たことがあります。
それも堤防から50センチに迫るサイズでした。
他人が釣った魚ではありましたが、東北でクロダイの50アップを釣った人も潮止まり付近の時間で釣れたと言っていました。
つまり、今回紹介したビッグフィッシュは他の魚が動いていないタイミングで、他の魚が見ていないタイミングで捕食をする、ということかもしれません。
正確に言えることはそうした事実があるということだけで理由までは正確にお伝えできません。
しかし、こうした事例を知っておく価値はあると思います。
そのため、大型の魚が釣れたら、必ずレンジ、時間、潮は記録していた方が良いでしょう。
それが後々役にたつかもしれません。
また、ブラックバスで例えをするならば、サイトフィッシング時が良い例になるかもしれません。
サイトフィッシングをよくされる方はよくわかると思うのですが、大型と中型の魚が一緒に泳いでいたとしたら、ほとんどが小さい魚から釣れる経験ないですか?
大型の魚がサイトで見えているということは、ほとんどがボーと泳いでいるか別の目的に浮いている可能性があり、大型の魚は捕食したりする気分ではないのです。
そのため、かなり釣れにくい魚になるはずです。
※もちろん、あちらから見られている可能性もありますが。
そのため、基本的なこととなりますが、大型は必ず餌場と隠れ場がセットになった場所を攻めた方が効率が良いことも多いのです。
レンジがシビアな大型魚
これは僕の体験ではありませんが、大型の個体ほどレンジつまり層に非常にシビアであるという内容を雑誌や各メディアでよく見ることがありました。
例えば、シーバスやメバルなどは大型の魚ほどルアーを通す数センチのずれで食う食わないの差になったりするという現象です。
それだけ、大型の個体は、普段の生活の中で違和感を覚えるものには手を出さない(口を出さない)ということが言えるはずです。
違和感を覚える=普段食べているコースではないという意味です。
つまり、大型の魚ほどシビアな釣りが求められるという意味で、このシビア差が釣りを面白くしている要因かもしれません。
自然界での歴戦の覇者は、生物界でも数パーセントの割合でしかいません。
他のほとんどの魚は、条件反射的に色々な刺激(ルアー)にのせられてしまうケースが多いということです。
こうした考えでいけば、ある群がいたとしたら小型から釣れるようであれば、それは大型が賢いということです。
大型が一発目から捕食してくるような釣れ方で、釣るたびにサイズが小さくなるようであれば、それはアングラー側のアプローチが正解であるという何よりの証拠です。
まとめ
非常に簡単にまとめると、非常識な生き方をしているのが大型の生物ということです!
ほとんどの生物と反対の生き方をする、だから大型になるんです。
そうした現実に僕たちアングラーは気がつかなくてはならないと思います。
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