最近のライン事情
ハードロックフィッシュ(アイナメ、ソイ、ハタ)において、フル岩礁帯や近距離の釣りであれば、素材自体の比重と耐摩耗性により、フロロカーボン素材のラインを直結で使用することをオススメします。
僕の場合、近年ハタ類をメインで狙っており、沖やディープに向けて遠投が必要になったり、潮の変化を読み取る必要性が出てきました。
また、三陸のロックフィッシュと違い、ある程度根から離してルアーを追わせる釣りになり、根の奥まで落とし込む必要が少ないためPEラインの使用が増えてきています。
今回は、PEラインの太さ(号数)によって何が変わるのかという内容にしました。
「ハードロックフィッシュゲームにおいて、スピニングタックル、ベイトタックルは何号のラインにすれば良いのか?」疑問を持っている方も参考にして頂けると幸いです。
全ての号数を数年単位かけて自分で実験をし、この記事を書いています。
ハードロックフィッシュゲームにおけるPEラインのメリットとデメリット
念のため、ロックフィッシュにおけるメリットとデメリットについて簡単に説明しておきます。
[aside type=”normal”]
メリット
◯飛距離がでる(スピニングタックル)
※ベイトタックルの場合、スプールが軽い(下糸含む)方がブレーキを弱めに設定することが出来、飛距離が出ます。
つまり、使用機種のスプールの重さで飛距離が変わるということです。
◯ラインを一直線にした時の感度
◯フロロに比べて水を切るため、深場、遠投先での操作性が良い
◯糸の伸びがほとんどないため、ルアーアクションのキレが増す
◯フロロのように反発力がなく、腰がないラインのためスプール(糸を巻く部分)に馴染む
◯巻きぐせがつかない
◯長く使える(フロロと違い、リーダーを変えるだけで数ヶ月使えることも)
◯糸自体が比重の関係上、浮きやすく根掛かり回避能力が上がる
[/aside]
[aside type=”normal”]
デメリット
◯岩やコンクリートに擦れると一瞬で切れる
◯ラインを張っていないと感度がゼロになる(潮や風などの影響)
◯ベイトタックルで、ひどいバッグラッシュをしたら、ほぼ修復不可能
(経験上フロロは修復できますが、PEラインは修復が困難です)
◯近距離でフルフッキング(全力アワセ)するとアワセ切れする可能性がある
◯冬場の寒い時期にリーダーの結び替えが難しい(時間がかかる)
◯ガイドに絡むトラブルが発生する(細い号数ほど増える)
◯風が強い時は、ラインが煽られすぎて釣りにならない
(着底感もなく、何を操作しているのかわからない場合も)
◯消耗してきたら突然切れやすくなり、糸の替え時の見極めが難しい
[/aside]
前置きが長くなりましたが、今回はハードロックフィッシュタックル別におけるPEラインの号数の違いについて説明していきます。
スピニングタックルは号数で飛距離・情報量が変わる!
一般的にスピニングタックルで使用する号数は「0.6号」「0.8号」「1.0号」「1.2号」です。
浅場のハタやカサゴを船でテキサスリグで狙うような方は割り切って1.5号使っても問題ないですよ。
そうした中で、とりあえずスピニングタックルで迷ったら1.0号の使用をおすすめします。
堤防でも、磯でも、ボートゲームでもこのくらいの太さがあれば切れにくく、糸も扱いやすいためトラブルが減ります。
特にはじめてハードロックフィッシュに挑戦する人はトラブルを減らし釣りに集中する意味で、1号からはじめることを強くオススメします。
しかし、スピニングタックルのラインは細くすればするほどメリットがあります。
それは飛距離と情報量です。
糸を細くすればするほど、キャスト時の抵抗が少なくなり、遠くに飛びます。
同じ重さのルアーを投げ比べると、細い糸の方がよく飛びますよ!
加えて、細くするメリットは潮の抵抗感が減り、情報量が増えるという点です。
例として、ボートゲームなどで水深の深い場所を攻める時、細い糸の方が感度が良いです。
潮の変化やボトム(底)の感触など、明らかに情報量が違います。
僕の感覚的には細い糸の方がアタリも多いと感じています。
一方でガイドトラブルが増えたり、重いウエイトでフルキャスト(全力で飛ばす)すると糸が高切れしやすいというデメリットがあります。
では、号数ごとに説明していきます。
[aside type=”warning”]
※便宜上、号数で表記していますが、メーカーによって1号ごとの太さが変わってきます。
PEラインは撚り糸や編み糸のため、潰すと太さが変わってしまいます。
そのため、メーカーごとに基準があるのが現状です。
また、ポンド表記にするとわかりにくくなるため、号数メインで記載しました。
ご了承ください。
[/aside]
1号はスタンダードに使用できる「スピニング」
1号のラインは初心者の方やラインの号数を迷っている方におすすめします。
糸が細すぎず、釣り中のトラブルが減りますし、魚と引っ張りあってもほとんど切れることはない太さです。
ただし、ロックフィッシュの場合、根周りや岩にPEラインが干渉すると簡単に切れてしまいますので注意が必要です。
また、竿の硬さもML(ミディアムライト)からH(ヘビー)まで1号のPEラインで十分です。
細すぎず、太すぎずで使用感は良いです。
根掛かりしても、針をゆっくり伸ばしてルアーも回収できる太さですし、PEラインの基本的な扱いを覚えるには最適な号数だと思います。
細かい話ですが、1号の方が魚のバレにくいです。
経験的に0.6号と1号では0.6号の方がバレやすいです。
なぜなら、細ければ細いほど、ラインの抵抗感がなくなるため魚が暴れた時に首をふりやすくなり、テコの原理でロックフィッシュで用いられる重めのジグヘッドやシンカーが外れやすくなるのです!
意外かもしれませんが、細いラインにはそうしたデメリットもあるのです。
特に経験上、オオモンハタのスイミングゲームでバラす場合、大抵0.6号のタックルに重いジグヘッドの組み合わせでした。笑
0.8号は飛距離が欲しい時に「スピニング」
0.8号は軽めのルアー(5グラムから18グラムくらい)を使用したい時や飛距離を出したい時に用います。
1号に比べて飛距離も伸びますし、潮の抵抗感も減りますので慣れてきたらこの号数で良いと思います。
ちなみに、僕はこの号数を一番多用します。
L(ライト)からMH(ミディアムヘビー)の竿は、この号数を多く多様します。
PEラインの扱いに慣れていて、魚もある程度釣り込んでいる人はこの号数をオススメします。
1.2号はロングスピンロッドで「スピニング」
昨今、竿抜けポイントや沖の根を直撃するために流行っているロングスピン釣法ですが、ヘビーシンカーでフルキャストすると糸が切れてしまうことがあります。
特に遠投に用いる40グラム以上のシンカーをフルキャストする時には注意が必要です。
例えば、ワームも含め総重量で50グラムのジグやリグをキャストする時に1号だと高切れの可能性が出てきますから、そうした場合は1.2号をオススメします。
※あくまでフルキャストした時の話です。
また、磯から大型のロックフィッシュ(ベッコウゾイやアイナメ、ハタ類)を強引に引っ張ってこなければならない場面ではこの太さは大きなアドバンテージとなるでしょう。
安心感が増しますし、1号に比べて強引なやり取りができます。
場合によってはリールのドラグをフルロックに近い状態で使用しても良いです。
いずれにしても1.2号は重めのジグやリグをフルキャストして使用する場合、または根の荒い磯で釣りをする場合に選択すると良いでしょう。
使用はエキスパートアングラーのみ?0.6号はゲーム性を高めるが・・・「スピニング」
0.6号という太さは一見細すぎてハードロックフィッシュには向いていないと思われがちですが、ボートゲームなど思いっ切り飛ばす必要のない場合や深い水深の時に使用することがあります。
ホームにしている西伊豆では水深30メートルから50メートルのラインをスイミングで探ることがあります。(ボートゲーム)
そうした時に細い糸であれば、潮の抵抗もあまり受けずに感度良く操作することができますし、糸の強度的に50センチを超える大型の魚でも無事ランディングできます。(ボートゲーム)
何より、二枚潮や潮の変化がよくわかるのです。
オカッパリにおいても、0.6号の場合、軽いウエイトでも距離が出ますし、ロングスピン釣法のロッドと組み合わせることでかなりの飛距離が出ます。
ただし、この号数はPEラインの扱いに慣れていることが大前提です。
細ければ細いほど、トラブルが増えます。
例えば、ガイドに絡みやすくなったり、アワセ切れ(魚が掛かった時に切れること)、高切れ(フルキャスト時)が多発したりします。
東北でのハイシーズンである11月から12月は切れるたびに寒い中、細い糸を結び直したりするのは、それだけでかなりのストレスです。
寒い中、細いラインを一生懸命結ぶ辛さは体験した人しかわからないですよね・・・汗
さらにオカッパリからのフルキャスト時、ガイドリングの摩擦で糸が切れてしまうことも経験しています。
具体的に欲張って0.6号の糸で遠投しようとして、40グラムのジグヘッドをキャストした時に数投ほどでサッと切れてしまうことがありました。
これはラインに対して負荷がかかりすぎるルアーウエイトを使用したために起きた現象です。
(何度も検証した結果、腕云々というよりはキャストするルアーウエイトの重さに対しての瞬間的な負荷がラインの限界を超えていたことがわかりました)
1号のラインであれば重いシンカーをキャストしても、こういうトラブルはほとんどないですね。笑
ギリギリ30グラム程度をキャストするのであれば、慣れた人だと使用は可能だと思います。
ただし、竿のメーカーによってはフルキャストすると切れますので、オカッパリからの使用は総量で20グラムくらいまでをおすすめします。
PEラインはメーカーによっても糸の太さがマチマチです。
デュエルやバークレーのラインの0.6号は細めに作られていて、摩擦で切れやすいです。反対にラピノヴァのラインは太めに作られています。
ラインの性能としては良いのですが、負荷がかかるルアーウエイトでキャストするのはやめましょう。
ベイトタックルでは太さ(号数)でこんなに違う!1.5号と2号(太さ)の違い「ベイト」
ベイトタックルでPEラインを使う場合、「1.2号」「1.5号」「2号」と使う方がいると思いますが、圧倒的に多いのは1.5号、次に使っている人が多いのが2号だと思います。
その中でも多数派が使用している、PEラインの号数1.5号と2号での違う点をいくつかご紹介します。
ベイトタックルの内容は、ハードロックフィッシュでメインとなる、H(ヘビー)もしくはXH(エクストラヘビー)の硬さの竿を想定しています。
[aside type=”warning”]
※便宜上、号数で表記していますが、メーカーによって1号ごとの太さが変わってきます。
PEラインは撚り糸や編み糸のため、潰すと太さが変わってしまいます。
そのため、メーカーごとに基準があるのが現状です。
また、ポンド表記にするとわかりにくくなるため、号数メインで記載しました。
ご了承ください。
[/aside]
メーカーによってロッドの粘りなどの様々な要因が絡んでくるので、なんとも言えない部分がありますが、僕自身、実釣を繰り返し、たどり着いた答えを書きたいと思います。
2号にするメリットは3つ「ベイト」
◯アワセ切れしにくい
メーカーのロッドにもよりますが、エクストラヘビーの硬さだと1.5号のラインを用いて近距離戦でフロロのようにフルフッキングした時はアワセ切れの可能性が高くなります。
PEラインの場合、近距離では、巻き合わせとロッドを軽く立てる程度でしっかりフッキングします。
しかし、PEラインでもフルフッキングしたがる人は多い感じがします。
僕も昔はそうでしたから!笑
お恥ずかしい話ですが、釣りを始めた頃はこれに気がつかず、これまで何度もPEラインでアワセ切れを起こしてきました。
この時の経験からラインの性能というよりは、アワセ切れしやすい要因は号数だと感じました。
スイープにアワセれば問題ありませんが、ガツンとフッキングをなるべくしたいという方は2号がオススメです。
ロッドは各メーカーある程度使ってきましたが、ほとんどのメーカーのエクストラヘビーロッドだと1.5号で、アワセ切れを起こしやすいです。
つまり、2号と1.5号には超えられない強度の壁が存在するのです。
そのため、僕は2号ラインに安心感を覚えます。
[aside type=”warning”]
※あくまでフロロのようなフルフッキングした時の話です。
また、メーカーによってはヘビーの表記でもエクストラヘビー並みに硬い竿がありますので、ご注意を。
特に高感度のピュアフィッシングジャパンなどの竿は硬く曲がらない分、ラインにも負担がかかります。
反対にノリーズやプロズワンなどの粘りがあるロッドの場合は、細くしても竿が衝撃を吸収するため、アワセ切れしにくいです。
どこのメーカーにも一長一短ありますが、これは好みの問題です。
[/aside]
◯ライントラブルが少ない
太くすることで、キャスト時のラインがガイドに絡みにくく、また抵抗がかかるため、バッグラッシュしにくいです。
そして、ラインが太くなる分、スプールに巻かれているラインに食い込まなくなるためトラブルが減るという現象も起きました。
◯根掛かりを回避しやすい(1.5号に比べて)
単純に太くなる分、ラインの浮く力が強くなり、ラインがシンカーをやや上方向に引っ張りやすくしてくれるため、結果的に根掛かりを回避しやすくなります。
試したことない方は一度、2号のラインで試してもらえるとこの意味がわかると思います。
1.5号のメリットは4つ「ベイト」
◯水切れがよく、キビキビした動きが出せる
単純に細くなる分、水の抵抗を受けにくくなるので、キビキビした動きが出しやすくなります。
わずかな差ですが、アクション重視の方は細い方が良いでしょう。
◯ディープロックなどで底どりが良い
こちらもラインが細い分、水の抵抗を受けないため、感度が上がります。
◯ラインが潮下に膨らみにくい(2号に比べて)
太いラインはその分、潮の流れを受けます。
そのため、潮に流されラインがたるんでしまい、一瞬何をしているのかわからなくなることが多いのですが、細くすることで、そうした時間を極力少なくすることが可能です。
◯スイミングアクション時、潮の変化層を見つけやすい
PEラインを使っていると細いラインの方がスイミングに向いていると感じることがあります。
それは、細いラインの方が潮の重さの変化を感じ取れるため、潮が変化している層やタイミングをいち早く知ることに繋がります。
ハタは潮の変化に敏感な魚で、潮次第で食う食わないが普通にある魚です。
そのため、潮の変化がわかりやすいというのは、とんでもないメリットだと感じて頂けると思います。
かなり簡単にまとめると、「確実に魚を獲り、根掛かりを回避したいなら2号」「繊細さ・ゲーム性を求めて、アクション重視にするなら1.5号」という選択が良いと思います。
また、スジアラやマハタ、クエなどが混じる可能性があるようなエリアやキジハタの60アップを狙っているようなビッグフィッシュハンターは、2号より下げることはありえません。
ちなみに2号はスローピッチジャークでも多様される号数です。
つまり、大型の根魚やカンパチなどの強烈な魚を狙うスローピッチジャークの世界でもこれくらいまでなら下げても大丈夫と認められている号数なのです。
とにかく切れるのが怖いという方は素直に2号にするのが吉です。
豪竿でゴリ巻きしても全然問題ないです。
ちなみに冒頭に出てきた1.2号というのは、ディープロックで垂直に探る時や水深が深いエリアを釣る時に使います。
基本的にベイトタックルは1.5号もしくは2号を選択します。
昔からベイトタックルでのロックフィッシュのラインと言えば、フロロカーボン素材がメインでした。
近距離戦で、かつ荒い根の奥にいる魚を引きづり出すにはこの素材が適していたわけです。
現在もメインで使用することも多いと思います。
しかし、これは地域差が関係してくる話です。
例えば、徐々に水深が深くなる三陸のリアス式の磯では、どんなにリーダーを長くしても、メインがPEラインでは一瞬で切れてしまうことが多々あります。
号数に関係なく、サッと一瞬で綺麗に切れます。笑
凹凸が激しすぎて、メインラインが根に干渉していることが理由です。
昨今はハタブームで、PEラインが流行っていますが、対象魚が根の奥の奥を直撃するベッコウゾイやアイナメになると話が違ってきます。
そうした根が激しすぎて釣りにならない場所、そして風の強いエリアでは、フロロカーボンが定番です。
地形次第では、定番どころかマストです。
フロロじゃなければ、釣りにならない磯というのは、数多く存在し、三陸などではマストな使い分けと言えます。
また、三陸のロックフィッシュのシーズンは手のかじかむ季節です。
僕もPEラインを使用していて、寒すぎて手が震えラインが結べないことをいくつも経験してきました。
そのため、三陸から北の地域に住んでいる方で磯ロックをメインでされる方は、フロロラインをタックルとして組み込んでおく必要があると思います。
しかし、それは凹凸が激しすぎる磯の話で、一般的に磯でPEラインの釣りは全然できます。
奥まで落とし込むようなルアーが直撃できない根があるというだけで、普通に使えます。
ただ、キャストコースやトレースコースに制限が出てくる可能性が高いのがデメリットです。
飛距離「ベイト」
スピニングタックルの場合、スプール径が大きい機種、長い竿、細い糸にすれば飛距離が出しやすいです。
ベイトタックルの場合、細かいことを言えばスプールの総重量で飛距離が若干変わります。
PEラインは非常に軽く、スプール(下糸含む)と合わせ軽くすることでブレーキシステムの設定を弱めにすることが出来、飛距離を伸ばすことができます。
ただ、ハードロックフィッシュに用いるような頑丈なリールを使用している場合、どうしても機種的にスプールは重めになりがちです。
重めのスプールにも実はメリットがあり、重めのスプールを使えば、その分、サミングがしやすいキャストが出来ますよ。
下巻きである程度、スプールの軽さを調整することはできます。
スプールを重くしたい場合はフロロカーボンラインを下糸にし、軽くしたい場合はナイロンラインを下糸にすると良いでしょう。
最後に
今回は、PEラインの使い方についての記事にしましたが、オススメのラインをご紹介しておきます。
PEラインは撚り糸ですので、4本撚りと8本撚りが一般的です。
4本撚りは8本よりに比べて安価なことが特徴ですが、トラブルがやや多いです。
なぜなら、4本撚りの断面部分は四角に近い形をしており、角があります。
その角がガイドリングに干渉して抵抗になるためです。
オススメは断面が丸に近い8本撚り一択です。
ライントラブルが少なくなるため、初心者の方こそ8本撚りをオススメします。
この記事へのコメントはありません。