なぜ、アイナメがルアーで釣れないのか?生態系・基礎知識から考える攻略法!



現在、アイナメの釣り方やルアーの種類やタックルについてネットで検索するとすごい数出てきます。

しかし、そうした情報を元に選んだ道具を使っても「タックルやルアーは合っているはずなのにアイナメが釣れない・・・・」そんな釣り人も多くいるのが現実です。

 

根魚に対する固定概念も含めて念頭におくべきポイントや初歩的基礎知識がいくつかあり、それを今回紹介したいと思います。

 

生態的に魚がどう動いているのか?

どういう行動特性を持っているのか?

どういう時期に、どんな釣り場・ポイントがよく釣れるのか?

 

アイナメの生態や動きがある程度理解できれば「なぜ釣れたのか?」が自分なりに説明ができます。

アイナメがルアーで釣れない場合のヒント集として、そして基礎知識というより「初歩」というイメージでまとめました。

例えば、初歩が理解できていれば、「なぜこんなにハードルアーにアイナメが反応しているのか?」など釣行時に体験した時に非常に理解しやすくなります。

 

ちょっと長いですが最後までお付き合い下されば、何かヒントを掴めるかもしれませんよ。

 

アイナメの基礎知識

 

アイナメは口は下向きで、形状的に底にある餌をついばみ易い形状をしています。

雑食性で何でも食べますが、基本的に甲殻類をメインに捕食していることが多く、地域によっても水中の環境ごとに食べている餌が変わります。

 

他魚種に比べて、遠くの音を感じとることが出来ないのがアイナメという魚です。

それは、カレイなどの底生の魚にもみられることで、浮き袋がないため音圧を感じることが出来ないのです。

(通常、音は浮き袋からウェーバー骨片を通して、内耳に伝達します)

つまり、遠くにルアーがある時、水中がよりクリアな時は視覚情報で、または嗅覚でルアーに反応していると言うことになります。

しかしながら、遠くの音は不得意でもアイナメには魚のスーパーセンサーである側線が5本あります。(研究結果で5本の側線のうち4本は機能していない可能性もあるとのこと)

(側線とは頭部分から尾部分にかけてラインのこと)

側線は魚のスーパーセンサーであり、僅かな水圧変化や水粒子変化、さらに水温にも反応する聴覚と触覚の2つの機能があるのです。

(特に近くの低周波に敏感)

アイナメは、障害物や何らかの波動を正確に感知し目が見えなくても泳ぎ回るほどの精度を持ち合わせています。

まさに複雑な地形変化に住むロックフィッシュの特性と言えます。

昔の人の言葉で「千本一本」と言う言葉があり、モリで千回突いても一本しか獲れないと言われるほど機敏にかわすそうです。

この側線の感度と機能がルアー釣りで用いられるプラスチックや金属のハードルアーにも敏感に反応し、果敢にアタックしてくる由縁と言えるかもしれません。

また、潮の動きが早すぎると流れをダイレクトに受けないように沈み、流れがゆるいと浮き気味に移動するという行動特性があるようです。

 

尾びれは後端が直線的か少し凹んでいるのが特長です。

見た目が似ている種類であるウサギアイナメとクジメと違う点は、この尾びれです。

丸みを帯びているウサギアイナメやクジメと違い、生息範囲が広いことを物語っています。

ウサギアイナメは北海道の局地的なエリアで底付近限定、クジメは岩礁帯付近の海藻付近に生息していますが、アイナメは全国的に砂地に藻場があるエリア、岩礁帯、人工物などがあり地形変化が存在し、塩分濃度が高すぎずに酸素量が多いエリアに生息しています。

酸素量が多いポイントで分かりやすい目安が大小に関わらないサラシの有無です。

※サラシとは波が跳ね上がって白く泡立っているところ。

磯などの岩礁帯付近はもちろん、消波ブロックの隙間やケーソンなどのストラクチャーの隙間、堤防の角はサラシが発生しやすいですね。

ロングスピン釣法で狙う場合も、沖の根のサラシを1つの目安にすると良いです。

 

アイナメはカニやエビなどの甲殻類の生息域と重なりますが、まれに貝類や昆布などの養殖設備の海中に沈んでいるロープや金属などについている大量のワレカラを捕食しに寄ってくることもあります。

(基本的にクロソイと逆で天然の岩礁帯を好む)

 

日本海、太平洋側どちらも生息していますが、魚影は太平洋側の方が濃いようです。

堤防についている海藻などの下には高い確率でアイナメやソイ類がついているため、堤防の際をハードベイトなどで狙うのも面白いです。

 

基本的にアイナメの体色は茶褐色系の色ですが、ポイントによっては海藻の色に歩み寄っていたり、お腹側が白くなっている砂地系・回遊系の個体もいます。

 

晩秋から冬が産卵時期でオスの体色は黄色が強くなってきます。

(オスはメスに比べて数少ないです)

 

太平洋側での釣果がよく、北に近づけば近づくほど、アイナメのサイズが上がっていきます。

最大でだいたい70センチほど。笑

東北の漁師さんの話では、網に80センチ級が引っかかったことがあり、陸にあげられたのを見たことがあるという人もいました。

本当かわかりませんが、可能性はありますよ。

夢があります!笑

 

産卵時期の生態

 

アイナメの産卵はメスが卵を産み、オスが卵を守るスタイルで行われます。

そうしなくては成り立たない魚です。

まず、水温が17℃以下の時期になると産卵を意識したメス(3年魚から産卵すると言われる)が浅瀬に徐々に近づいてきます。

このタイミングでは深場から浅瀬までのメスのコンタクトポイントを探すことが釣果をあげるコツです。

地域によって違いますが、メスは徐々に浅瀬に上がっていくと考えて間違いありません。

 

メスが卵を産む場所は一般的に干潮時でも水深が30センチから3メートルあるポイントが多いようです。

特に磯周りでは大岩周辺の波の当たらない場所(砂が巻き上がりにくい場所)、堤防であれば大きなストラクチャーや防波堤の角で産卵行動を確認したことがあります。

 

浅瀬に産む理由としては、オスが外敵や卵を食べる魚から守りやすい(守る方向がはっきりする)ということ、そして、太陽の光で水温が上がりやすい場所(卵が孵化しやすい)、海が時化ても荒れない場所ということが考えられます。

 

婚姻色のオスがメスを誘い、産卵場所で産卵します。

このタイミングでは「スニーカー」と呼ばれる小さいオスが産卵場所周辺にいることがあり、大型のアイナメと混じり合っていることも。

小さいサイズのオスが産卵場所付近にウロウロしている場合、大型も近くにいる可能性が高い!

反対にオスが大きくて力が強すぎる場合は、小型は近くに全くいない場合もあります。

 

産卵後はオスが餌も摂らずに、卵塊が孵化するまで外敵から守り続けます。

(産卵時期のオスは卵塊を守っていますので、釣れた場合は速やかにリリースしてください)

 

場所によっては産卵場所を争うように、メスが他のメスの卵塊を食べにくるケースも見られ、オスが守っている産卵場所付近にもメスがいる可能性がありますので、探ってみましょう。

たまにヒレがボロボロになっている個体が釣れますが、これは他のアイナメに噛まれた可能性が高いと思っています。

 

産卵後のメスは体力回復のために、食欲旺盛になるため産卵シーズン中釣ることが出来ます。

ただし、プリスポーン(産卵前)、アフタースポーン(産卵後)は魚が神経質になっていることもあるため、活性やコンディションに合わせてルアーを選定しましょう。

産卵時期は関東だと12月から1月、三陸だと11月から12月ごろまでが目安で、だいたい水温が12℃以下になると産卵行動の終わりを告げるイメージです。

 

三陸でのアイナメゲームの今

 

現在、メッカである三陸ではアイナメがだいぶ釣れにくくなったという声があります。

おそらく、釣り人がたくさんのルアーを通すため魚も学習し、これまで通りの釣りには反応してくれない個体が増えてきたからではないか?と僕は考えています。

現に新しい釣り方を試すとスンナリ釣れるということがあるようです。

魚はルアーを学習するのは、ブラックバスに限らずこうしたアイナメゲームの世界にも年々起きていることなのかもしれません。

 

また、ひと昔前はベイトタックルに重いシンカーというスタイルが主流でしたが、現在はベイトタックルを使用する人がかなり減り、ほとんどがロングロッドにスピニングという光景が続いているようです。

大会の影響か、サイズの小さいワームも流行っているようですね。

特にエコギア「リングマックス」の売れ行きが良いみたいです。

大会上位の戦略は驚くほど似ていて、サイズが小さめのワームでアベレージサイズを揃えて、ハードベイトやスイミングの釣りで中大型(キッカーサイズ)を狙う戦略が多いですね。

 

時期を外していたら釣れにくい!

 

単純ですがとても大事なポイントで、アイナメが釣れない時期は当然釣れにくいです!(岸釣り)

例えば、寒流系の魚であるアイナメを真夏のセミが鳴いている時期(8月、9月)に釣ろうとすると、北海道でもない限り岸から釣り上げるのは一気に難易度が上がります。

 

アイナメに限った話ではありませんが、基本は水温の変化に応じて魚の食欲も変化します。

なぜなら、適水温になると餌の消化スピードが上がり、それに伴い食欲も変わってくるから。

 

そのため初心者の人は「釣りをする地域ではどれくらいの時期に岸からアイナメが釣れているのか?」をよく調べましょう。

下記を参考にしてくださいね。

 

北海道では2月が最も厳しく、次に厳しいのは1月です。(そもそも雪で釣りにいけない可能性も・・・)それ以外は年中釣れている魚です。(太平洋側が大型釣れやすいと聞きます)

 

青森では8月、9月・2月・3月がやや厳しいですが、それ以外の時期は全て狙えます。

 

三陸(岩手、宮城)では3月、8月、9月が最も厳しい時期で、11月12月の釣果が最も良いです。

 

関東(神奈川、東京)では6月から9月までほぼ釣れず、10月、11月もやや厳しい一方、12月になれば一気に釣れ出し、冬の寒い時期はずっとアイナメが釣れます。

 

東海地方では3月、6月から11月までほぼ釣れず、冬になると一気に釣れ始めます。

 

参照:即戦力釣り情報 フィッシング・ラボ

 

海水温が魚の活性と釣期に大きく影響していますから、水温計を持って歩くのは意外と参考になります。

アイナメ適水温:8℃から18℃

活性が高い水温:15℃から18℃

 

経験上、表水温を計り8度以下の日はかなり活性が低く、良い釣りができた経験がありませんので、アイナメの適水温を知るために水温を計ることを強くオススメします。

僕はルアーに引っ掛けて計っています。

 

冬の寒い時期になると、アイナメは水深3メートル前後から10メートルより深い場所に移動する個体も出てきます。

三陸で言えば、3月前後に深場に落ちてしまうことがあり、そのタイミングでは魚が居ないことが多く、岸から釣りにくいということがあります。

地域や地形によって魚の動きは様々ですが魚がどう移動しているのか?を知るには年中釣りをしてみないと正確なことは言えません。

 

自分の地域が気になる人は「アイナメ 時期 〇〇(地域名)」で検索すると色々出てきます。

 

アイナメの釣れるポイントやエリアの探し方

 

そもそも場所が間違っていると魚と出会える確率は低くなってしまいます。

特に防波堤・漁港の選び方は意外と大事です。

 

ネット上で有名なポイントを探すことはできますが、ネット上に詳細なポイントを載せている人はあまりいませんので、自分で探してみるのも1つの手です。

※釣り場を晒すことは場荒れする可能性が高くなってしまいますので、ネット上に載せないのがマナーだという意見が一般的です。

ですので、個々のポイントまではお伝えできないものの、この記事を読んでくださっている方には地図やネットから良い防波堤・漁港を探す方法をお伝えしたいと思います。

 

アイナメの釣れる地域の魚影の濃い漁港や防波堤にはある共通点があります。

それは、防波堤・漁港の近くに河口があること(近くに川が流れている)、温排水などの何らかの流れ込み・湧き水があること。

有名な防波堤・漁港を調べてみると河口や川が近くにあることが共通していることが多いです。

特に北海道、青森県、岩手県、宮城県の有名エリアを調べてみてください。

驚くほど防波堤・漁港周辺に河川が流れていますから!

 

例をあげれば、超有名ロックフィッシュエリアである宮城県気仙沼湾には大川が、石巻市の牡鹿半島の北側に北上川、西側に旧北上川(一級河川)が流れています。

また、ロックフィッシュ大国から少し離れますが、アイナメの釣れる三重県三浦湾では水力発電で使った湖水がパイプラインを通して流れています。

県の川で言えば、木曽川、長良川などが流れています。(三重県は漁獲量が多い県としても有名)

 

多くの場合、整備された森や森林に繋がるような川、そして河口があり、良い栄養が海に流れ、魚介類がよく育つんです。

河口は魚介類にとって生命誕生の重要な場所です。

そこから生態系が出来ていくんですね。

 

ただし、青森や北海道などの豪雪地域に住んでいる方は春に釣る場合、注意が必要です。

濁ったような雪解け水が流れていると水温が下がり、春先は本当に釣りにくい場所があります。

 

さらに、チェックするポイントは2つです。

1つは岩礁帯や消波ブロックがあるのかどうかです。

 

砂地のみが広がるエリアだと、アイナメの魚影が一気に薄くなる傾向にあります。

どちらかと言えば、足元に岩礁帯がある地磯や消波ブロックがあったり人工的な構造物があるポイントが有望です。

(この場合、沖が砂地でもOK!)

岩礁帯などの岩場・消波ブロックでは餌となる甲殻類や貝類も豊富で、生き物がどんどん集まってきます。

東北の防波堤では海藻を食べるウニ・アワビなどが岩礁帯や防波堤によくついています。

 

また、砂地に存在するアマモ、砂泥が堆積したエリアに存在するスガモと言った海草を除き、東北や北海道でみられるワカメ・コンブ・ホンダワラなどの海藻は岩場や消波ブロックなどのコンクリート・鋼鉄などのストラクチャーでしか育ちません。

生態的な面からみて、海藻の存在はかなり重要であり、海が豊かである証拠でもあるのです。

 

その海藻はロックフィッシュの隠れ場所となり、生態系の基礎を作り食物連鎖を生みます。

ハードな場所にしか生えない海藻の特性上、こうした岩礁帯や消波ブロックなどを探すことが重要なのです。

 

目に見えるストラクチャーや消波ブロックは、グーグルマップなどの写真を駆使して探してみましょう。

そして、釣り場で実際にチェックすべき部分は、目で見えるストラクチャー(岩礁帯や人工的な構造物)です。

しっかり確認して、ルアーをアプローチするべきポイントを目視しましょう。

 

2つ目は水深が深い地形が隣接しているかどうかです。

アイナメに限ったことではありませんが、魚が深場と行き来できる地形は大型の個体が浅瀬に寄ってくる要因となります。

アイナメの場合、産卵行動や水温の変化に伴い深場を行き来する個体がいます。

そのため、なるべく沖に向けて深くなっているポイントはかなり有望と言えます。

遠投して届く範囲にあればカケ上がりを狙うことが出来、かなりベストです。

 

気合が入っている人は「海図」という海底地形図がありますので、ネット上で検索するなどしてチェックしてみると良いでしょう。

 

○河口や流れ込みがある

○岩礁帯や消波ブロックなどの人工的な構造物がある

○沖が深場になっている

 

この3つ全てが当てはまっているポイントは特に有望ですので、事前にどこに行って良いかわからない方は調べてみてくださいね。

そして、釣り場では必ず地形変化やストラクチャー(岩礁帯や岩、人工的な障害物)を調べてください。

地形変化は簡単に言えば、水深の変化です。

シンカーの沈むスピードをカウントして比較したり、感度の高いシンカーを使って底の様子を調べましょう。

 

また、目に見える大きなストラクチャーはどの釣り場での有望スポットです。

地形変化やストラクチャーを目印に生活しているアイナメは必ずそうしたスポット周辺にいます。

 

ルアーを底から表層まで追いかけてくるアイナメ

 

アイナメは全ての層(フルレンジ)で釣れます!笑

 

底の魚というイメージが未だに強いですが、活性が高く元気な時はワームやジグを表層まで追いかけてくることがあります。

僕の経験では、消波ブロックの穴の中からワームを回収していた時に水面までアイナメが追いかけてきたことがありました。

釣れませんでしたが、貴重な体験となりました。

 

ボートで釣りをしていると表層まで追いかけてくるロックフィッシュを見ることがありますが、表層をルアーで引いてもロックフィッシュは釣れません。

これは岸からの釣りも一緒です。

 

ただし、底以外で釣れる例外もあります。

1つ例をあげると、小魚が沖に群れているタイミングで、ジグヘッドにピンテールワームをキャストして中層でジャークしても釣れることもありました。

アイナメは底付近からものすごい勢いで、中層まであがってくることを物語っていますね。

最近だとバス用ルアーのスピナーベイトが流行っているみたいですね。

 

アイナメの遊泳力はすごく、底から高速でルアーを巻いてきてもアイナメは釣れますし、状況によっては中層でルアーを動かしていてもヒットしてきます。

 

僕の経験上、防波堤でルアーを回収している時にヒットしてくることが何度かありました。

 

偏食行動のあるアイナメ

 

別の記事の中でも偏食傾向のあるアイナメを釣ることへの難しさについて触れていますが、

「アイナメが今食べている餌に合わないルアー」を使っていると全く釣れなくなる場合も多々あります。

基本的に雑食で、何でも食べるアイナメではありますが、ルアーに対してはシビアな一面がある魚なんです。

 

カサゴや小さなソイ類など、穴釣りをしていれば活性さえ低くなければ、大抵どんなルアーでも釣れますが、アイナメという魚は一筋縄ではいかないと感じています。

どうやら、こうした偏食傾向が強いことが1つの要因として大きいようです。

 

例えば、イワシが大量に接岸している時はイワシに狂ってイワシしか食べていないという日もあったり、ゴカイ類などの虫ばかり食べていることもあります。

大体の季節は、小さな甲殻類やカニを捕食しているケースがほとんどですが、数日前には釣れていて、いきなり釣れなくなった場合、そのエリアでアイナメの捕食対象となる生物が大量に湧いていないか確認する必要があります。

前述した例のイワシが大量に接岸していたり、バチ抜けと言って環中類の産卵行動の日と重なるケースもあります。

(イワシが接岸している時はシャッド系のワームに7グラムから11グラムのジグヘッドを潮に軽く流し、巻いてくるメソッドがよく釣れます!)

 

また、地元で体験した例として、小さなエビのパターンがありました。

エビばかり捕食して、他のルアーには見向きもしない感じでした。

記事にも記載していますが、エビを吐いたことでエビをかなり偏食していることがハッキリしたのです。

(1インチの小さなワームにしか反応しないくらいシビアでした)

 

ここでハッキリしたいのがアイナメを釣るために「アイナメは今何を食べているのか?」と知ろうとする意識が大事であります。

特に甲殻類が住んでいそうなエリアには根魚がいる可能性も高いです。

 

もちろん、偏食ばかりせずに均等に色々な生き物を食べているケースもあり、しかも雑食なため、全て偏食傾向のせいにする訳にはいきません。

 

そして、個人的にアイナメ1匹1匹にも性格があるような気がしています。

全てのアイナメが同じ行動をせずに、「個体で少し違った習性を持っているのではないか?」という印象を持っています。

 

これが素晴らしいゲーム性に繋がっていると考えるとブラックバス並みの面白さが秘められていると痛感しますね。

 

アイナメは潮の動きで移動する

 

「アイナメは浮いていることがある」と言っている人もいますが、アイナメは浮き袋の関係上水中で浮くことができない魚です。

水深40メートルの深場から釣り上げても浮き袋が口から出ないのは浮き袋がほとんどないからです。

ですので、ボートゲームでも最後まで楽しませてくれます。

 

釣り人側からすると下から泳いできて捕食したり、ルアーにバイトしてくるため、浮いていると感じるのだと思います。

ハタ類やソイ類と違い、小魚の下に定位して、獲物を見ているという行動そのものができないのかもしれません。

 

つまり、「常に移動しながら浮上してくる」ということです。

大抵は底付近を泳ぎ回って、そこから浮上してくるものと考えられます。

 

また、経験上、アイナメは堤防の際(キワ)の壁についている時間帯や沖に移動してしまうことがあると感じています。

メバル、カサゴは大きく移動しないイメージですが、アイナメの場合、潮の動きに合わせて小移動してしまうイメージです。

 

例をあげれば、下げ潮のタイミングで堤防の際についていた個体が、上げ潮のタイミングで沖の根周りに移動してしまうという感じです。

これは捕食行動に伴う移動なのか、酸素量の問題か?他に理由があるのか?正確な理由はわかりませんが、いつも同じポイントにルアーを投げて釣っている人は「魚が移動する」という要素も考えてみる必要があります。

昨日あるポイントで爆釣しても、今日同じポイントで同じように釣れるとは限りません。

むしろ、根魚という名前が「根にじっとしている魚を釣る」というイメージを作ってしまい、実際の魚の動きとは違うアプローチを釣り人がしてしまっている気がします。

実際、アイナメを釣るなら消波ブロックの中の落とし込みが一番と考えている釣り人が未だにいます。

 

アイナメは潮の動きで移動します。

実感として、消波ブロックの隙間でじっとしている小さい個体もいますが、大抵は潮の動き次第である程度移動していることが多いと感じています。

また、季節の水温変化や底荒れ(大嵐や台風後など)に伴う濁りなどによっても魚は移動する(避難する)ことを理解しておく必要があるでしょう。

 

アイナメと溶存酸素量

 

東京湾では溶存酸素量が少ない場所、例えば、プランクトンが多すぎて酸素不足な場所、潮が動かない場所にいるアイナメは苦しくなり、移動してしまうという話を聞きました。

特に酸素がないと苦しいアイナメは移動し、快適な場所へとさっさと移動してしまうようです。

 

磯などでサラシと呼ばれる白い泡がたっている場所がありますが、そこは溶存酸素量も多く、プランクトンや海藻類も豊富。

一見「白い泡が激しくあって魚がいないのでは?」と思いがちですが、実は白い泡の下は非常にクリアです。

サラシ周りは酸素も多く、魚もある意味カゲの下に隠れている安心感がある傾向がありますので、果敢に狙ってみましょう。

 

同じ穴から3匹のアイナメが釣れた経験

 

「アイナメアンダーウォーター(釣り人社)」というロックフィッシュ釣りのプロである佐藤文紀さんが出演しているDVDの中で、担当しているダイバーの方が「アイナメは群れを形成している」と言っていたそうです。

 

僕個人として、釣りをしてアイナメが群れを形成していたということは、実感としてありませんでしたのでこのDVDはかなりの衝撃を受けました。

定期的に見ても何か新しい発見をするDVDの1つです。

 

餌釣りをメインで行っていた頃、消波ブロックの穴にブラクリ仕掛けを入れてアイナメを釣っていました。

その時に運が良いと同じ穴から同じくらいのサイズのアイナメが釣れるという体験をしました。

当時は「オスとメスとその家族がいるのかな」くらいに思っていましたが、今考えれば群れの一部がその穴の中にいたということだったんですね。

 

群れを形成するということは序列も発生し、それぞれが役割を持って生活している可能性も高いということ。

アイナメという魚は本当に奥が深いですね。

 

ワームを小さくする時と大きくする時

 

東北では産卵が終わり、冬の時期になった時、アイナメの活性が著しく落ちます。

そうした時に大きめのワームを使うと釣れる確率を大きく下げてしまいます。

活性が低くなっているため、ワームのサイズを下げた方が良いです。

産卵後は特に小さめのワームが良いですね。

 

反対にワームをあえて、大きく変更することがあります。

例えば、2インチから3インチと言った感じです。

この場合、あえて大きくする戦略的な理由はフッキング率をあげるためです。

 

3インチにすることでワームの抵抗が増し、沈むのがスローになり、シンカー(オモリ)とワームが離れやすくなるため魚が違和感を感じずにワームを咥え続けます。

ベストシーズンなのにショートバイトが多い時に試してみましょう。

また、ショートバイトが異常に多い時は威嚇的にバイトしているだけの可能性もありますので、フッキング率をあげるためにフックサイズを大きくしてみてください。

 

フォール時間を長くとる

 

ルアーが落ちていく時にアタリが出ることが多いアイナメですが、早すぎるとダメな日があります。

そのため、なるべく底に落ちていくスピードをゆっくりにした方が良いと感じています。

具体的にはブラス素材のシンカーを使う、軽めのシンカーを使う、抵抗の多いワームを使うなどの工夫があります。

フォール時間の調整は魚を釣るためのキモになりますので、自分なりに研究してみてください。

アイナメの場合、他のロックフィッシュやフラットフィッシュと違い、フォールが遅い時、早く落としてリアクション的に誘う時、どちらかが効くことが多いです。

 

プレッシャーの多い場所では・・・

 

休みの日は釣り人だらけで、常に人がいるような防波堤や漁港では思うように魚が反応してくれないことがあります。

そうした時は、抵抗の少ないワームを使い、リアクション的にストンと落として口を使わせる方法もあります。

僕の場合、ストレート系のワームにタングステンの5グラムから7グラムのシンカーを使い、飛び跳ねるようなアクションを加えてリアクション的に釣ることが多いです。

 

また、カラーも魚に飽きさせないように数種類ローテーションしましょう。

特にグリーンパンプキン系やウォーターメロン系の地味なカラーの用意をオススメします!

 

そして、反応が全くない時は隣でキャストしている人と同じルアーを使わないことが大事です。

人と違うことをして魚にルアーだと見切らせないように工夫していきましょう。

 

テキサスリグで反応しないのであれば、ハードルアーやジグ、ジグヘッドに変えるなど、人と同じことをしないことがプレッシャーのかかる場所で人より釣果をあげるコツです。

 

非常にゲーム性のある面白い魚

 

アイナメは昼によく釣れる魚ではありますが、僕の育った東北では夜行性に変化する時期がありました。

宮城県での経験ですが、3月のミミイカが多く発生している時に、昼よりも夜の方が釣れることがありました。

(ミミイカは底付近に生息)

もちろん年中夜にも釣れる魚ではありますが「ある時期に夜ばかり釣れる」という経験を経て、そうした地域性まで考慮しないといけない魚なんだなぁと思いました。

海の中は人間が寒いと感じはじめてから1ヶ月くらい後に冬が訪れます。

つまり、タイムラグがあり、人間が寒いと感じる時期から1ヶ月後に海の中で冬が訪れるイメージです。

 

このように海の中が寒い時期(2月、3月)にはアイナメも活性が低くなっていることがあり、そうした時はワームを動かした後に間を入れることをおすすめします。

北海道では、穴の中にワームを入れ、数秒止めてから動かすというスローな動きの釣りがうまく機能するようですが、それと同じことをするのです。

もし、アイナメの活性が低くてアタリがあっても釣れない時は、底での間(止める)を意識してみてください。

(厳しい時期、活性が低い時は匂い付きワームがオススメです)

 

具体的には穴の中の奥に落とし込んでから、ルアーを止めます。

3秒から10秒くらいをカウントして止めておく必要があります。

寒い中、スローな釣りをするのは辛抱がいりますが、アイナメのコンディションに合わせていかなくてはいけません。

 

北海道では12月の水温低下のタイミングで突然イワシが接岸することもあり、そのタイミングではスイミングで探ると良いかもしれません。

スピナーベイトもオススメです。

 

また、アイナメは全国的に春から夏にかけて水温が上がり出すと小魚が増えて、その小魚を追い出してストライクゾーン(ルアーを追う距離)が広がる傾向にあります。

そうするとルアーを追う距離が違うので、色々なパターンで釣りが成立するので面白いですね。

 

キジハタと混在するアイナメ

 

秋田県、山形県などの日本海ではすでに、キジハタが釣れると言われ年月がたっていますが、アイナメよりも生態的に強いと思われるキジハタがどんどん北東北や北海道に進出しているようです。

対馬海流にのって北へ上がってくるものと考えていますが、青森県では対馬海流の6割が流入する津軽海峡にもキジハタが入ってきています。

そうした時にアイナメがどんどん居場所を追いやられて、ハタばかりが生息する海になるかもしれません。

その証拠に大間のマグロで有名な下北半島で、岸釣りでキジハタが釣り人によって釣り上げられています。

 

太平洋側でもすでにキジハタが生息し、どんどん数を増やしているものと考えられます。

三陸の海も変化していく可能性も少なくありません。

僕たちはそうした時代の転換期にいるのですね。

 

さらに詳しいアイナメの攻略法やシーズン別の攻略はこちらで紹介されています。

おすすめです。

 

最後までご覧くださりありがとうございます。

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