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    エギングの衰退から考える未来のルアーフィッシングの「キャッチアンドリリース」

    1. 生き物・魚の話
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    この記事の所要時間: 831

    エギングの衰退

     

    エギングとはアオリイカをメインとして、エギを用いて釣ることを言います。

    そんなエギングのターゲットであるアオリイカが年々釣れなくなっているそうです。

     

    もちろん、エギングが釣れなくなって来ると釣具も売れなくなるので、釣具メーカーも困ったものです。

    アオリイカが釣れなくなった理由は正直、不明です。

     

    色々な説があり、「個体数が減った」「アングラープレッシャー」「エギを学習した」などが代表的です。

     

    僕の勝手な意見になりますが、アオリイカが減った1つ目の要因は「アングラーが持ち帰ったことによること」が主なものだと考えています。

    この記事を書くために、「エギングがある日突然上手くなる」という書籍を読んでいたのですが、イカが釣れる場所というのはかなり限られるという印象を受けました。

    1年ごとに生まれるアオリイカは、産卵し育つための条件があり。アングラー側が狙えるイカはそうした条件をクリアした場所に限られるということです。

     

    つまり、アングラーが岸から狙える位置に生息しているアオリイカは釣れば釣るほどいなくなってしまうという考え方です。

    元々、釣りをして持ち帰るという行為は生態系から間引きすることであるということからアングラーが狙える範囲の海産資源を獲って仕舞えば、単純に魚は減ります。

    イサキや真鯛など、釣ってもすぐに回復する資源とはアオリイカは違うようです。

     

    イカにも自分が生まれた地域に戻って来る習性があり、サケを代表とする帰巣本能があるのです。

    そのため、そのエリアのアオリイカを釣ってしまったら、戻って来る個体が減り続け、イカが釣れなくなるという構図になるのです。

     

    沖も含めた全体的な数については、生態的な変動もあるため何とも言えません。

     

    もう1つ原因があるとすれば、藻場の減少です。

    大学の講義で藻場について学んだのですが、藻場の役割を考えると藻場の減少はかなり深刻な問題です。

     

    藻場はアオリイカの産卵場所として有名ですが、こうした命が育つゆりかごである藻場が近年、凄まじい勢いで減少しています。

    つまり、アオリイカの赤ちゃんが育つことができなくなっているということです。

    そうした環境変化も要因の1つではないかと考えています。

     

    これまではあくまで個人的な推測でしかないのですが、数年前に比べて明らかに釣れなくなっていることを考えると、アングラー側の意識が変わらない限り、衰退の一途を辿っているのかもしれません。

    釣り自体はなくなりはしませんが、市場的には衰退の可能性があるのです。

     

    日本人特有の食文化と相反する考え方

     

    釣具屋で働いていた頃、渋谷のお店で働いていた時期がありました。

    その時、女性のお客さんは毎日来るけど、99パーセントが付き添いで来ているという感じでした。

    明らかに趣味でやっていると感じられたお客さんは極めて少なく、しかもジャンルも管理釣り場とエギングと船釣りがほとんどという印象でした。

    業界が釣りガールを盛り上げているから、渋谷のギャル風(すでに死語か?)の子が釣りしに来ても良いと思っていましたが、そんな感じの人は1人もいないのが釣具屋の実態であります!笑

     

    某雑誌にいつも出ている女性アングラーが釣具を買いに来たこともありましたが、会話しても釣り好きには思えず、やはり仕事で雑誌に出ているのだと痛感させられました。笑

    本当の意味での釣りガールというのは極めて貴重なのだと感じています。

     

    そんな貴重な釣りガールですが、稀に出会う釣りしたい系の女子に共通していた考え方は「食べられる魚を釣りたい!」ということ。

    「エギングがしたい!」という子持ちのマダム2人を接客し、初心者向けのセットを売った時も釣りの動機は「美味しいイカが食べたい!」ということでした。

    当時はイカ締めセットがよく売れていましたし、神経締めセットも在庫を切らしてはいけない商品の1つとなっていました。

    つまり、ルアーと言えど持ち帰れる分は食べるのが前提という考えの人が非常に多い印象でした。

     

    また、他にも主観的ではありますが、ライトゲームなど魚の持ち帰り方に関する質問が多めだった記憶があります。

     

    日本という土地柄、魚介類は食べる物という考え方が根強く、エコギアを代表とする各メーカーが提唱している釣りをゲームとして捉えるキャッチアンドリリースという考え方が海ではいかに浸透していないかと日々感じています。

    (もちろん、持ち帰るのが悪いって言っている訳でもなく、餌釣り師を敵視している訳でもないですよ!)

    いざ、海に様々なルアーフィッシングが浸透していくと、そうした考え方や意識は広まっていかなかったことが原因ではないでしょうか。

     

    やはり、アングラーが長く釣りを続けるために「キャッチアンドリリース」という意識がどうしても必要なのです。

     

    以前、僕の叔父に「釣った魚を持って帰らない」という話をするとかなり不思議そうな顔をされました。

    日本人が元々持っていた考え方とは相反する行為でもあるため、海のルアーフィッシングでは特にそうした「キャッチアンドリリース」というルールのような価値観や意識は存在していないように感じます。

     

    元々アメリカから入って来たゲームフィッシングという概念ですが、最初にこれを提唱していたのはバスをやっていたプロの方々。

    バスフィッシングはアメリカの文化で、キャッチアンドリリースが前提の釣り。

     

    「これを罪深い」と表現する方もいるのは重々承知しています。

    でも、「キャッチアンドリリース」を愚直に行なっている人は、自然に対する愛情を持っている人が多いですね。

     

    「魚のことが好きで釣りをしていたり、自然の中にいるのが好きで釣りをしている人もいる」

     

    そんな釣り人を「釣り針で魚を痛めつけているから」と言って罪深いと表現しているのも、また考えものです。

     

    釣りという趣味は元々狩猟的な一面があり、魚との勝負のようなもの。

    それを否定してはこれまで男たちが築きあげてきた歴史は一体何だったのだろうか。

     

    それに、諸外国では、狩猟に馬を使っていましたが、その狩猟の必要がなくなった時代に、馬に乗って競争するという文化ができました。

    競走馬です。

    そんな競走馬に手綱を付け、引っ張り回し、競争させるのも馬に精神的も肉体的にも苦痛を与えていないとは言えないでしょう。

    釣りも同じようなものだと思います。

     

    どこまで言っても人間はエゴな生き物であり、人間が生きていくための一次生産や二次生産の過程で食べ物となる生き物に痛みを与えていないということはありえないのです。

    そう考えると、釣り人の行為だけをピックアップして騒ぎ立てるのは少し違う気がします。

     

    この記事は釣り人側の主張ではありますが、「未来の子供達のために今できる釣りを繋げていきたい」そう考えた時に釣り人側に魚を食す必要がないのであれば、「キャッチアンドリリースを推奨する」というのが僕の意見です。

     

    釣り人の未来の共有と我々にできること

     

    今、バスフィッシングという釣りを通して上の世代が日本にゲームフィッシングという新しい文化を持ち込んでくれたことが土壌となっています。

    これからの釣り業界がすべきことは日本のルアー釣りが長く続けられるようになるための閉鎖水域や魚種限定のライセンス制度を整えることであったり、アングラーの意識改革の部分なのかなと感じています。

    そして、上の世代が土壌を整えてくれたのだから、次に来る我々の世代ではアングラーの意識改革が1つの命題であり、課題であると考えています。

    特に新しく参入する初心者層にはそうした意識付けがあるなしで、ルアー釣りが本当の意味でのスポーツフィッシングとして根付くかどうかが決まると思っています。

    どの業界でも初心者層に参入して欲しいのは山々ですが、最初の意識付けが非常に肝心ではないかと感じます。

    そのためにも、アングラー同士、日本のルアー釣りの未来ビジョンの共有が必要だと考えています。

     

    特に海産資源の現状についてはアングラーが己のことだけを考えるのではなく、地域に長く根付かせていく釣りとして捉え、「必要以上のキープはしない」「産卵期に気を遣う」など意識改革が必要となります。

     

    話は少しズレますが、釣り人が魚を釣り減らす以外にも生物が減っていく理由はあるようです。

    例えば、イワシ。

    イワシの漁獲量を数十年単位で追っていくと実はかなりの変動があることがわかります。

    つまり、人間の漁獲する活動以外にもイワシの数が変動する何かの理由があるということです。

    生物というのは、まるで自らの意思で自分たちの数を変動させているような気させします。

     

    さらに大きな視点で捉えると地球史は誕生と絶滅の繰り返しで成り立っていると言われます。

    そうした生物の変動の過程で、現在の地球というのは形成されているのです。

     

    自分たちの釣り欲のために魚を保護しようとするという考えも些か傲慢な気もします。

    (自分で言っておきながら・・・笑)

    それでも僕は「自分たちが尊敬してやまない魚達を、釣りという趣味を通して見届けていきたい、自然と共生して生きたい」そう考えています。

     

    ややこしい話をしましたが、簡単に言えば「釣りが好きだからいつまでも楽しみたい!」そういう話です。笑

     

    最後に以前観た映画の中での言葉が印象に残っているため、紹介しますね。

    釣り人がどんな未来を共有していくのかが、日本の釣り業界の未来を変えます!

     

     

    未来を共有すれば、人類が滅びることはない。

    映画 「ジオストーム」より

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    コメント

      • ヒロ
      • 2019年 8月 14日

      アオリイカが釣れなくなっている原因は、さまざまなことが指摘されていますよね。ほとんどの魚と同じく「原因はハッキリしない」ですが…
      ちなみに、シマノのインストラクターでもある富所さんの「イカ先生のアオリイカ学」を読むと、漁業による漁獲量が圧倒的で、釣りの数は非常に少ないことが指摘されています。もちろん、アオリイカの漁獲量が正確とは言い切れない部分があるので参考程度ですが。
      いずれにせよ、資源保護の観点からも長く釣りが楽しめるように、釣り人、水産業関係者の間でも議論が活発になればいいですよね。
      あと、未来の話をすると、これから10年もすれば日本は急激な人口減と高齢化が一気に進むので、釣り人も減るでしょうし、釣り業界も転換期を迎えると思います。チェルノブイリから人がいなくなって動物の楽園になったように、人間が少なくなって、魚が増える、になるかもしれませんね。

        • niko
        • 2019年 8月 14日

        なるほど。
        「イカ先生のアオリイカ学」読んでみますね!
        漁獲量の問題で、様々な魚種が減っていることは、最近の漁業問題となっていますね。
        法律も変わり、世界各国から日本の海域で漁ができる時代になりつつあるのも個人的には気になっています。

        イカも漁獲量が絡んでいたとすれば、これは釣り人だけの課題ではなくなってきます。
        おっしゃる通り、釣り人や水産関係業者共に議論が活発になることを望みます。

        10年もすれば、とありますが私も同じく人口減で釣り人が少なくなっていくと睨んでいます。
        ただ、地球全体が大変動を起きていたり、気象変動の激しい時代にさしかかってきましたので、魚や動物に今後どんな影響が出るのか未知数です。
        また、単純に人間の漁獲量とイワシの生産量など比例しておらず、長い漁獲の歴史を辿ればイワシやニシンの増減には人の漁獲量が大きく影響していないという主張の文献を読んだこともあります。
        確かに資料を確認すると、漁獲量が増えれば減っていく生き物もいれば、漁獲量が増えても減らない生き物がいました。
        こればかりは、その時代になってみないとわかりませんし、大自然だけが成せる調和だと思っています。

        釣り人としては、対象魚が増えれば増えるほど嬉しいですが!笑

        コメントありがとうございます。

      • kenrakujazz
      • 2019年 12月 16日

      興味深く読ませていただきました。私の認識だと、キャッチ・アンド・リリースの概念って、最初のバスブームのころに屈折した広まり方をしたような気がします。「魚にやさしいことしてます」みたいな 笑 釣り具業界が悪いのか、受け取る側の理解力の問題なのかはわかりませんが。
      たまに、釣りをやらない人でキャッチ・アンド・リリースを目の敵にしてる人とか見掛けますけど、あの時代に、この記事のようなしっかりした主張も同時に広まっていたらよかったのかもしれませんね。
      まあ、釣りやる人間の意識の持ち方で、これから日本の釣りの世界ももっと成熟していくかもしれませんし、釣りにまつわるいろんなことを、もっと深く考えてみたくなりました(^O^)

        • niko
        • 2019年 12月 16日

        コメントありがとうございます。
        おっしゃる通り「魚にやさしい」みたいな風潮が強かったかもしれません。
        当時は個人で意見を発信する媒体が少なかったので、どうしても業界優位の発信になりがちで、受取手の感性や理解次第で概念自体が変な方向に寄っていたのかもしれません。
        とにかくブームを作ることにみんな必死だったんだと思っています。

        アオリイカが減っているという元ネタはバスプロの田辺哲男さんが何かの雑誌で書いていた内容をふと思い出して書いたものですが、色々調べていくうちに様々な角度から釣り人や自然を考察することが出来ました。
        やはり末長く釣りは楽しみたいですからね!
        アングラーとして何が出来るのか日々考えていきたいです!

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