バークレーから発売されているガルプシリーズ
ガルプとは?
ウォーターベースのポリマーに、魚が好むと実証されたバークレイ独自の強いニオイの成分を配合して作られています。
ガルプ!は水溶性のため、水に溶けない普通のソフトプラスチックベイトに比べて400倍もの速度でニオイ成分を放出することができます。ガルプ!アライブは、基本的には独自のアトラクタント液に漬けた状態のガルプ!です。
この公式のサイトの文や他のホームページを見ても、ガルプが他のワームに比べてニオイ成分を放出しやすいのかはっきり書かれていません。
元釣具屋店員の僕が、以前バークレースタッフに直接聞いた理由を簡単に説明します。
他メーカーの多くのワームは油性、つまり油の性質があるニオイが含まれています。
しかし、バークレーガルプは水溶性です。
この違いは水と油に例えるとわかりやすいです。
油性は水と弾きあい、結果的に水の中では上の方向にしか放出しません。
水溶性は水に溶けるため、水中の中では360°全方向に放出するのです。
実はこのシンプルな理由こそが、ガルプに魚を寄ってくる秘密です。
つまり、ガルプはたくさん魚が好むニオイを水中にひろげる能力に長けている訳です。
ちなみに結論から言えば、僕はガルプ推奨派です。
しかし、僕がロックフィッシュをしていた東北地方ではガルプ批判が根強かったです。
「あれは餌だ」
「ガルプは卑怯だ!」
「餌釣りして楽しいか?」
「ほっといても釣れる」
「釣りが下手になる」
などなど沢山の批判を受けるワームでした。
個人的な意見として、良いワームというのは、賛否両論あるのが普通だと思っています。
良いところもあれば、批判があるのは当然です。
まぁ、釣りの実力がなくても釣れるから批判が高まるのだと思いますが。
批判的な人の意見を聞くと根本的にワームはアクションや使い分けや腕で釣るという考えが強いと感じます。
もちろん、そうした意見をいう方の気持ちはすごく理解できますし、一時期僕もそういう考えを持ったことがありました。
でも、あるきっかけで考えが変わりました。
それはある海洋系の書籍を読んでいた時に知った「魚は餌をニオイによる遠隔探知、近づいたら視覚探知する」という知識からはじまりました。
ニオイに敏感な魚種もいれば、鈍感な魚種もいるため全ての魚種に丸々当てはまることではありませんが、多くの魚はニオイに敏感に反応し餌を探知しているのです。
ニオイで魚を寄せるガルプというワームはその特性を大いに利用しているため初心者やはじめてのフィールドでも安心して使えます。
その一方で魚の居場所も知らなくても釣れてしまうため、なぜこの場所やタイミングで魚が釣れたのか?理解しにくいというデメリットもあります。
細かい理詰で考える釣人にとってガルプは邪道である考えも湧いてくるのは当然のことだと思います。
ほとんど餌釣りに近い感覚で使える特殊なジャンルですからね。
ただし、昨今の海洋プラスチック問題などを考えれば水溶性ポリマーを用いたこうしたジャンルのワームの可能性についてより注目される日も遠くないかもしれませんね。
そんなガルプですが、特性を理解して使いこなすために、今回は僕の経験上ガルプのデメリット、使い方や保管の仕方について紹介します。
ガルプのここが惜しい!デメリットについて
ガルプ素材というのは釣りをする上で、様々なデメリットが生じます。
それを僕なりにまとめてみました。
◯汁が臭い
ガルプは独特な酸味がかった臭いがします。
僕は全く嫌いではありませんが、この臭いは臭くて触りたくないという方も多くいますよね。
また、ガルプ汁を舐めたことある人いますか?笑
僕は試しましたが、何とも言えない甘い汁でした。笑
※衛生上よろしくないので、やめましょう。
◯パッケージから汁が漏れる
多くのアングラーがガルプなどの汁物ワームを使う上で悩んだ代表ではないでしょうか?
実はガルプのパッケージは非常に漏れやすいのです。
中にジッパーがついていますが、ほぼ役に立たずに、汁漏れします。
特にパッケージを斜めに保管していたり、反対に入れたりしていると汁が表面張力によって確実に漏れ、あなたのバッグやケースを汚します。
汚すだけなら洗えば良いのですが、1番ネックになるのが臭いです。
漏れて乾燥したガルプ汁の臭いは、結構な不快感をもたらします。
そのため、車が臭くなったり、バッグやライフジャケットに臭いがついてしまったりします。
結果汁漏れ対策として、パッケージのまま使いたい人は、ジップロックなどの袋を二重にかぶせて使わなくてはならず、ワームを取り出す時は面倒ですし、荷物はかさばりますし、あまりオススメはしません。
完全にパッケージを水平に保管できる方なら良いですが、釣りをする以上パッケージは揺れるので漏れやすいのは仕方ないといったところでしょう。
そこで、いつも活躍するのがこちらのケース。
versusから出てる汁物系専用のケースです。
これを使うようになって、このケースしか使わなくなりました。
本当にしっかり蓋を閉めていれば、振っても、投げても(笑)漏れません。
それにガルプは、色を混ぜても色移りしにくいので、色んな形のワームやサイズをいっぺんに運べます。
磯ロックなどで、荷物を極力少なくしたいときなんかはベストですよね。
また、エコギアから出ている熟成アクアシリーズもこのケースに入れています。
◯乾燥後は使えない
スポンジ状の素材を用いて、ガルプ汁を吸わせているワームですので、釣り場なんかで放置しておいたら、乾燥してしまって使えなくなるなんてこともあります。
また、1週間外に置いておけば、かなり小さくなってカピカピに固くなります。
再びガルプ汁につけるのはオススメしません。
ガルプ汁の正体はアミノ酸などで、微生物にとってかなりの栄養です。
そのため、外から菌や微生物がついた状態のガルプワームを再び汁にいれると汁が衛生的によくない状態になってしまいます。
そのため、復活のための汁漬けはやめておきましょう。
結論として、ワームが乾燥してしまったら使えないので捨てましょう。
◯素材強度
ガルプワームは、比較的他のワームに比べて裂けやすいです。
ゴム素材ではないので、スルッと裂けてしまいます。
そのため、荒い水草の生えた場所に打ち込んだり、外道が多くすぐかじられてしまう場所には不向きです。
特に全国どこでもそうなのですが、フグの餌食になりやすいです。
堤防で季節的に出くわす、フグにガジガジかじられて、一瞬にしてワームがなくなったという経験を何度もしました。
また、船釣りでは底に到達する前にフグにほとんどのワームを食われてしまって、底に着く頃には、針とオモリだけということも体験しました。
それだけあらゆる魚を寄せる力があるということですが、外道や小型が多すぎる地域では、この汁による集魚効果が逆にデメリットになってしまうこともあります。
そこはよく考えて、ガルプワーム以外の素材のワームも持ち合わせ、状況で使い分けましょう。
◯クリア系、ラメ系がほとんどない
素材の特性的にクリア系が少ないです。
メバル用に少しありますが、結構濁ったクリアです。
そして、生産上の問題なのかわかりませんが、すぐに廃盤になったりして、色のラインナップに乏しいです。
ですので、ガルプを使うときは色に拘らずに定番のカラーを揃えておくことをオススメします。
◯ワームの癖がとれない
ここまで拘るかどうかは本人次第ですが、ガルプ素材の特性上、新品でも癖がついています。
ワームのパーツ部分が変形していたり、ねじ曲がっていたりします。
そのため、再現性を求めているエキスパートの方は嫌に思うかもしれません。
ただし、ベビーサーディンなどのメバル用ワームは比較的癖がないです。
ガルプは釣りたい人にオススメな理由
散々ガルプのデメリットを書いてきましたが、ガルプ自体を否定しているわけではありません。
むしろ、どんどん投入した方が良いと思います。
そのオススメ理由を述べていきます。
◯初心者はとにかく魚のアタリが欲しい→ガルプがおすすめ!
ガルプを使うと、釣れないくらい小さな魚が食いついてきているのがわかると思います。
竿先がプルプルしたり、カンカンと弾かれたりする小さなアタリです。
これらは、ガルプのニオイや味に寄せられてきているのです。
つまり、アタリがたくさんあります。
そのため、初心者のようによくわからないけど、釣りを楽しみたいという方にオススメです。
とにかく魚を釣って経験を積むことが大事なことですので、拘らずにガルプを使うことが上達につながります。
周りで批判してくる人がいても、気にしてはいけません。
魚を釣る経験を通して釣りを楽しむことが大事です。
僕は初心者の方、アタリをたくさん経験して上達したい方に、ガルプを強くおすすめします。
ガルプをサーチルアーとして使う
さて、次からは中級者向けの内容になります。
◯魚の季節的な場所を知る
ほとんどのロックフィッシュは移動します。
それも水温だったり、季節的な餌の移動に伴っていたりと様々な要因で魚が動きます。
年中テトラポットの中にいる魚を狙っている人は別ですが、ロックフィッシュは基本、動いていると認識した方が良いと思います。
そうした中、先週釣れた場所と今日の魚がいる位置が違う可能性が高いのです。
潮によっても、魚が定位する位置、移動する穴が違います。
しかも、群でいる可能性もありますし、食い気がなくてじっとしていたりもします。
あらゆる可能性がある中、何から釣り始めるかを考えた時、魚のポジションや活性具合をみるために、ガルプを投入するということは有効です。
アタリが出やすくて釣れるからガルプを使うのではなく、あくまでサーチ目的です。
ガルプを投入すれば、小型からバイトしてくる可能性も高いですが、何らかのヒントを得られることは間違いありません。
例えば、投げても投げてもフグのバイトしかないとしましょう。
フグがいるということは、高水温の水が底に固まっているという証拠であり、適水温域を移動するフグは群でいることがわかります。(地域にもよります)
そうした騒がしい中、ロックフィッシュは捕食するでしょうか?
意外と落ち着いてしまっていることが多いのです。
そのため、投げる場所を変える、移動するなどの選択がとれますよね?
また、ハゼなどの小型の魚のアタリが頻発するところもヒントが隠されています。
横浜でアイナメを狙っていた時はハゼのアタリからブレイクの位置を見つけ、魚をキャッチすることに繋がりました。
そして、ハゼが元気にバイトしてくる状況というのは周りに大きな捕食者がいないことの証明でもあり、大型の魚は休んでいるか、別の場所にいると思います。
小型が元気になるタイミングや場所は、外している可能性が高いです。
◯はじめての場所でサーチ
はじめての場所で地形も潮も魚種もわからないフィールドでもガルプは活躍します。
とりあえず、ガルプで探ってしまおう作戦です。
何らかの反応を元に釣りを組み立てていきましょう。
◯有機物の少ない真冬の海はガルプ最強
最後の例として、真冬の釣りです。
真冬の釣りは、地域によって釣れる魚が限られてきます。
アカハタはほとんど釣れなくなりますし、オオモンハタも厳しい時期です。
アイナメに関しては、真冬こそスローに誘う必要があり、そこでガルプでじっくり穴の中で食わすという釣りが効くことがあります。
このように本当に厳しい時期でこそ、ガルプでしか釣れない魚がいるものです。
なぜなら、魚も寒くて元気がない中、餌が目の前にいても追わないからです。
動きの活発な餌は無視されます。
そこでワームをじっと動かさずに誘ったりするのですが、最後の詰めとしてガルプの臭いや味を使って口を使わせるのです。
まさに最終兵器とも言えるかもしれません。
ガルプは、僕らが出会ったことのない魚を呼んでくれると思っています。
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