日本に生息しているブラックバスの原産国アメリカでは、日本よりも種類が多く生息しています。
今回は、原産国アメリカのバス事情と簡単な歴史に触れていきます。
現在、生息しているバスは6種類5亜種で、合計11種類です。
生態や性格も異なります。
参考程度ですがご紹介します。
アメリカのバスの種類
ノーザン・ラージマウス・バス
千葉県高滝湖にて(筆者)
一般的に日本でブラックバスと呼ばれる種類の魚。
1802年にラセペーゼという人によって命名され、もともと北米大陸の一部の地域に生息。
その後の1800年代に北米大陸の西側にゲームフィッシュとして移植されたと記録がある。
1925年についに日本に移植。
現在では、北米大陸、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、フィジー、ニューカレドニアに生息している。
世界的な魚となっている。
ルアーへの反応が最もよく、全てのバスの中で、大型化しやすい。
また、比較的低水温に強い。
学術名:Micropterus Salmoides
発音:ミクロペトロス・サルモイデスまたはマイクペトロス・サルモイデス
フロリダ・ラージマウス・バス
ノーザン・ラージマウス・バスの亜種。
元々の生息域はフロリダ半島だが、1959年にカリフォルニアに移植され、その後もテキサスをはじめ各地へと移植される。
日本へは、1988年に奈良県池原ダムに約1万匹が移植される。
のちにモンスターバスの聖地として賑わう。
このように、巨大化するため、非常に人気が高い。
世界記録を出すにはこのフロリダを狙うことが重要だと言われる。
アメリカでの記録もこのフロリダ・ラージマウス・バス。
一般的にノーザン・ラージマウスバスより浅瀬を好み、水深は4メートル以下の浅瀬が望ましい。
水温の変化に非常に敏感な性質を持つ。
またノーザン・ラージマウスバスより3倍賢いと言われ、同じ数の魚がいれば、釣果が3倍違う。
ノーザン・ラージマウスバスとの外見上の違いは、側線上の鱗の数が69〜73枚と多い点である。(ノーザンは59枚〜68枚)
学術名:Micropterus Salmoides floridanus
発音:ミクロペトロス・サルモイデス・フロリダナス
ノーザン・スポッテッド・バス
見た目として、ラージマウスバスとスモールマウスバスとの交配種と見間違えるほど、ラージマウスに似ている。
習性や外観の一部はスモールマウスバスに近い特徴を持つ。
スポッテッドバスの名前の由来は、腹部の鱗に黒いスポッドがあり、これが横に繋がって点線を作り出しているためである。
外見上の見分け方として、第一背びれと第二背びれが繋がっていること、口を閉じている時に唇の後ろの目の位置を超えないこと、下に細かい歯が円形状に2つあることなど比較的細かい確認が必要。
習性は、スモールマウスバスに同様に低水温に強く、透明度の高いリザーバー(人造湖)などで深場を好む。
水深30メートル以上の深場でも群れで泳いでいることも多く、集団で行動している。
下記の2種類が亜種である。
アラバマ・スポッテッド・バス
アラバマ州南東部に位置するモビール湾に流れ込む河川領域に潜むバス。
生息範囲として、アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州。
外見上、体高が低く(細長い)鱗が細かい。
なかなか専門に狙うアングラー(釣り人)は少ない。
ウィチター・スポッテッド・バス
報告によると1928年にオクラホマ州西部に位置するウエストキャッチクリークで発見された。
特徴である腹部のスポットがない。
現在はほとんど絶滅していると言われ、データなし。
スモールマウス・バス
福島県桧原湖にて(筆者)
日本で公式に生息しているとされているのは、桧原湖、野尻湖である。
人気も非常に高い。
ラージマウスに比べ、低水温を好み、透明度が高く岩盤の多いエリアの深場に多く生息している。
流れや風に対する動きが非常に敏感のためすぐに移動してしまう。
同じ重さであればラージマウスよりも圧倒的に引きが強い。(筆者体験済み)
水圧の変化に強く、深場からトップウォータールアー目掛けて突っ込んでくるのはざらにあるエキサイティングな魚。
アメリカで、ミシシッピー・リバー、オハイオ・リバーや五大湖に生息していたが、のちにゲーム性の高さからアラスカ州とフロリダ州、ハワイ州を除く全米各地に移植されている。
ネオショー・スモールマウスバス
スモールマウスバスの亜種。
外見の違いはほとんどなく、きょく条(鰭のスジ部分)が一本少ない。
一時は絶滅したと言われていた。
現在は、アーカンサス州、ミズリー州の一部の小川に生息。
レッドアイ・バス
名前の通り、ルビーのような赤い目をしている。
生息はアラバマ州などのアメリカ南東部で流れのある岩盤地帯を好む。
ショール・バス
レッドアイ・バスの亜種。
フロリダ州との州境周辺の水系で確認。
大きな黒いスポッテッドが尻尾の付け根にあるのが特徴。
外見はスモールマウスに似ている。
流れのないハードカバーを好む。
グアダルーぺ・バス
テキサス州グアダルーペ川水系に生息。
砂利底で流れが当たる場所を好む。
もともと大きくは育たない種類で、成魚になっても30センチを超えるものは少ない。
舌には歯があり、第一背びれと第二背びれが繋がっている。
また、鰭の付け根に鱗がある。
スワニー・バス
1941年にフロリダの生物学者によって報告されたバス。
外観上の最大の特徴は、はっきりとしたマーキング(模様)、真っ赤な目、口から胸ビレまで続く鮮やかなコバルトブルー。
大きく成長することはなく、最大で40センチほど。
生息域はスワニー水系とオコロッコニー水系。
流れや岩盤地帯を好み、スモールマウスに近い。
日本に生息しているのは3種類
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●ノーザン・ラージマウス・バス
日本全国に生息。メインターゲット。
●フロリダ・ラージマウス・バス
池原ダムを中心に生息。
●スモールマウス・バス
桧原湖、野尻湖、全国各地に生息。
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世界には、これだけの種類のバスが生息しているのです。
その中で、日本にいる種類は3種類です。
今後、日本に移植することはないと思いますが、アメリカのゲームフィッシュとしての釣りを盛り上げてきた立役者達です。
今回は予備知識までにアメリカのバスの種類を紹介しました。
移植の歴史を考えれば、アメリカや世界各地にブラックバスが移植されているのです。
まるでグローバル化が進んだように、魚もグローバル化が認められるとブラックバスの害魚説問題も少しは静まると思います。
ただ、どんどんバスを移植させろと言っているのではありません。
あくまで、今日本に生息している魚くらいはもう認めても良いのではないか、ということです。
なぜなら、もはや日本の各水系の生態系を支えている生き物だからです。
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