今回、初心者もしくはクランクベイトで釣るイメージが持てない人のためにクランクベイトについて掘り下げていきます。
話をわかりやすくするために、細かいルアーの種類の紹介や大きさの違いは省きますのでご了承ください。
さて、ブラックバスは、主に2つの性質の動きに反応すると言われています。
1つ目が落ちて行く動き。
2つ目は浮き上がる動き。
ほとんどの方は、1つ目の落ちていく動きを使い魚をキャッチしていると思います。
そして、浮き上がる動きで魚からの反応を得る方法の代表ルアーとしてクランクベイトがあります。
浮力のあるクランクベイトだから出来る釣りです。
今回は、バスフィッシングにおけるクランクベイトの基礎基本と、どこを意識して使えば良いのかを説明していきます。
クランクベイトの役割
クランクベイトといって、いくつか種類があり、大きく分けて4つのカテゴリがあります。
・ウェイクベイト 水面直下
・シャロークランク 1.5メートルまで
・ミッドレンジクランク 1.5から3メートル前後
・ディープクランク 3メートルより深いレンジ
大きく分けて、4種類あり、潜る水深でルアーの読み方が変わります。
シャロークランクの例
クランクベイトは、種類に応じて、一度潜らせると最大水深が一定になる特長があります。
これが、スピーディーに魚を探す必要があるバスフィッシングではかなり役にたちます。
なぜなら、バスフィッシングでは、地形変化や障害物を探す必要があるのですが、クランクベイトは常に一定の水深まで潜ってくれるので水中の中を知るためのヒントを与えるからです。
つまり、巻いたクランクベイトが潜り、底に当たることで、水深の変化や障害物の位置、おおよその水深までもが予想できるのです。
そのため、ファーストムービングルアーやサーチルアーと呼ばれたりします。
バスフィッシングの中でも1番と言って良いほど攻撃的な側面があります。
このようにサーチ的な役割の多いクランクベイトですが、もう一つ役割があります。
それは、冒頭にも紹介したクランクベイトの浮力を活かした釣り方となります。
クランクベイトにはプラスチックとウッドクランクが有ります。
ウッドクランクはプラスチックに比べて波動が強く、障害物に絡みつくように動き、プラスチックは弾けるように回避していく違いがあります。
また、ウッドクランクの方が波動が強く、魚を呼ぶ力が強いですね。
例えば、クランクベイトでよく語られるシーンにこういうものがあります。
ある程度ルアーを潜らせ、巻いていると水中に沈んでいる枝や木、障害物などにルアーが当たる瞬間に魚が食いついてくるという釣れ方です。
なぜ、そのタイミングなのかと言えばクランクベイトのリップが何らかの障害物に接触すると一度弾かれ、クランクベイトは、その浮力で浮き上がろうとします。
ルアーが障害物に当たり軌道が逸れて、浮き上がった瞬間、バスが堪らず口を使ってしまうということです。
他のルアーにはない食わせ方ですので、必然的にクランクベイトでしか釣れない魚というのが存在します。
ここがものすごく面白い世界だと僕は考えています。
さて、クランクベイトで釣れる魚とはどんな特徴があるのでしょうか。
クランクベイトで狙うべき魚
一見クランクベイトは、横に引いてくるルアーのため、長く追わせて魚を釣るルアーのように思われるかもしれません。
しかし、クランクベイトの本質はそこではないのです。
昨今の日本の釣り場状況を考えれば、ただ巻いていて食う簡単な魚は少ないのが実情だと思われます。
タダ中層を巻いてきたり、クランクベイトの軌道が変わった瞬間に食うこともありますが、僕はそれなら別のルアーをおすすめします。
クランクベイトの場合、魚を騙し、魚に口を使わせるにはルアーを何らかの障害物に意図的に当てる必要性のあるルアーだと思っています。
そのため、ルアーを常に、何かに当てるという意識を持って釣りをする必要があります。
その証拠にクランクベイトは、先行深度毎にルアーが発売されており、底へ到達する水深に合わせてルアーを選択する前提があるからです。
何らかの障害物に当てていくということを念頭に説明しましたが、ここにキーワードが隠されています。
それは障害物です。
障害物といっても、木から枝、ゴミから地形変化まで様々ありますが、簡単に言えば、少しややこしい形をした底や沈み物です。
そんな少しややこしい所にいるバスを狙うわけですから、長い距離を追わせて食わせるルアーでは、そもそもないのです。
イメージで言えば、障害物についていて、じっと餌を獲るキャンスを待っているバスを狙う感じでしょうか。
つまり、狙う魚としては、ワームやラバージグで狙う魚と対して差はないということです。
ワームやラバージグのように落ちていく時に食わせるか、浮力でルアーが浮く時に食わせるか、その違いでしかないと筆者は思っています。
厳密に言えば、ラバージグを落とすほど複雑な障害物を通すことは難しいですが、大なり小なり障害物付近に待機している魚を釣るためのルアーだと理解して間違いないです。
そのため、クランクベイトの選考基準は、底もしくは障害物にルアーを当てる意識を持って、選んでみると良いと思います。
さて、クランクベイトとは巻いて釣るルアーで、よく魚を探すためのルアーと扱われています。
しかし、本質は魚を探すというよりは、釣り人側が積極的に仕掛けていく攻めの釣りだということです。
クランクベイトで狙うべき場所・地形
では、クランクベイトで巻くのに有効な地形はどこですか?
と言えば、答えはシンプルです。
なるべくフラット(平)な地形を見つけて、巻くことです。
単純に何もない砂地を探すのではなく、なるべくクランクベイトで魚に食わせるタイミングを増やすために、全体的にフラットな地形を探すことが大事です。
同じ水深を巻いていても、クランクベイトが底や障害物などに常に絡んでくれるポイントが望ましいですね。
例えば、岸際で水深50センチでも2メートル沖側に離れると水深3メートルといきなり深くなる釣り場があります。
人造湖(リザーバー)などは、その典型的な例です。
そんな場所で2メートルしか潜らないクランクベイトを引くにはどうしたら良いでしょうか?
船から狙った場合、岸際にルアーを投げることになりますが、そうすると2メートル巻いた時点で、すでに中層を巻いていることになります。
これでは、底に近い2メートルしかバスに食わせるタイミングを作れないことになります。
そこで、フラットな地形を引く必要があると思い出してください。
この場合、船を岸に寄せて、岸と並行気味に引くのが正解です。
細かいことを言えば、斜めに巻いてきたとして、クランクベイトが泳いでいるレンジがボトム付近であれば、大丈夫です。
このように、なるべく底に当て続ける工夫をすれば、クランクベイトの釣りは比較的簡単な部類です。
これはオカッパリでも応用のきく考え方です。
フラットな地形がなければ、フラットに巻いてくるにはどうしたら良いか考えるのです。
そして、岸際スレスレから岸から数メートル離れたところを順々に平行に巻いてくるとあらゆる層を攻めることができます。
キーワードは、クランクベイトの最大水深を意識して、底または障害物に当たるように巻き続けることが重要です。
また、クランクベイトを使いこなしてくれば、ピンポイントで障害物に当てていくことも出来ます。
例えば、水深3メートルの場所に立木が一本沈んでいるとします。
立木の一番高い先端は、だいたい2メートルです。
この場合、2メートルしか潜らないクランクベイトは、底に当て続けることは出来ません。
しかし、立木の位置さえ正確に理解していれば、2メートルまで潜ったクランクベイトを立木に当てて、バスに誘いをかけることが出来るのです。
障害物に当てて、キャッチしたビッグバス
クランクベイトは先行深度を意識する
底に当てるというルアーアクションを引き出すためには、クランクベイトの性能を知っておく必要があります。
まずは、最大先行深度です。
つまり、どれくらいルアーが潜るかということです。
ラインの太さで変わってくるのでルアーのパッケージに書いてある数字を参考にすると良いでしょう。
そして、先行角度です。
そのクランクベイトが急激に潜るタイプなのか、緩やかに潜っていくタイプなのかを知っていれば、ルアーをよりフィールドにマッチさせやすくなります。
水が濁ったらすぐにクランクベイト
クランクベイトは他のルアーに比べて、少し丸いです。
つまり、ルアーを巻くと、この丸みを帯びたボディの体積分の水を押して、魚の側線に強烈にアピールします。
つまり、クランクベイトは他のルアーに比べて、かなり強い波動が水中に広がるのです。
しかし、釣り人の多い日本のフィールド状況を考えると、いつもクランクベイトが良いとは言えません。
どこのフィールドも魚がクランクベイトの強い波動をを覚えてしまい、釣りにくくなっているからです。
しかし、それでもクランクベイトで魚を騙しやすいタイミングがあります。
それは・・・
水が濁っている時。
風が強い時。
どちらも魚からしたら、クランクベイトの存在を目視しにくくなります。
視界が効かない濁りの水で、魚に伝わりやすいのは、強い波動だけです。
クランクベイトは強い波動で逃げている生命体を演出してくれるのです。
その結果、魚が勘違いして口を使ってしまうのです。
このように、クランクベイトはある意味、雨上がりで水が濁った時や風が吹いてきたタイミングで強いルアーの一つです。
クランクベイトの位置関係を理解する練習方法
魚の位置や地形を理解するために、ファーストムービングルアーとして活躍するクランクベイトですが、実は弱点があります。
それは、リップが付いていて、潜るために距離が必要ということです。
ルアーの着水地点では最大水深を攻めることができないのです。
つまり、ある程度巻いてきてルアーを潜らせる距離が必要となります。
ここがスピナーベイトやチャターベイトなどと違う点です。
スピナーベイトやチャターベイトは着水したら、そのまま沈ませれば、レンジをコントロールできますから。
また、クランクベイトは潜るルアーですのでその位置関係を体で覚えるために行うトレーニングがあります。
リールのハンドルを1回転してルアーを潜らせ、そして、ハンドルを止め、クランクベイトを浮かせます。
これを繰り返して、リール一回転あたりのクランクベイトの移動距離を体に叩き込みます。
こうすることで、距離感がわかるので、釣り場で非常に役に立ちます。
ぜひ練習してみてください。
リールのギヤ比について
ベイトリール前提で話を進めますが、クランクベイトは引き抵抗が強めのルアーです。
そのため、オススメはノーマルギアかローギアタイプです。
しかし、ハイギアでも全く問題ありません。
個人的には障害物に当たってもトルクで巻ききりたいので、ローギアかノーマルギアを使うことが多いです。
また、一日巻くとハイエンドモデルではない限り、経験上ハイギアだと疲れますし、なぜかルアーの潜る水深が少しだけ深くなるような気がします。
ラインについて
カーボンロッドがMLもしくはMであれば、フロロの12ポンドか14ポンドが使いやすいです。
カーボンロッドがMHだと、ナイロンの14ポンドから20ポンドをオススメします。
グラスロッドの場合で、ハードな障害物を攻める場合はナイロンの20ポンドが最高です。
上級者で、障害物に絡めて巻いてくるのが上手な人はナイロンを使います。
なぜなら、ラインの比重の関係で、クランクベイトよりも先に障害物にラインが触れにくくなり、ラインに傷がつきにくくなります。
釣るために最も大事なこと
釣るために最も大事なことを書きます。
それは、クランクベイトのラインアイをまっすぐに調整することです。
ペンチなどで簡単に調整できますので、曲がらないように確実に調整しましょう。
曲がっていると一匹も釣れません。
断言します!
それくらい、この調整が大事です。
最後に
僕が初めて50アップの魚を釣った時のルアーはクランクベイトでした。
クランクベイトは他のルアーにはない力があると思っています。
特にクランクベイトで、釣れると魚のサイズが大きいと感じています。
これまで、クランクベイトでたくさんの40アップを釣ってきましたが、ほとんど魚のコンディションがよかったです。
僕の過去最高記録である55センチのバスも結局クランクベイトで釣りました。
メモリアルフィッシュです。
ワームやジグの方が釣れると思う人もいると思います。
しかし、実際は状況に応じて使い分けることで、クランクベイトでしか釣れない魚がいるということに気がつくと思います。
ぜひ、使い込んでみてください。
この記事へのコメントはありません。