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    「ブラックバス外来種問題」宮城県伊豆沼の研究成果についての疑問点

    1. ブラックバス
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    この記事の所要時間: 425

    宮城県伊豆沼のブラックバスにおける研究結果に疑問点がいくつかありますので、こちらの記事にまとめます。

     

    宮城県伊豆沼の話

     

    ブラックバスの研究と駆除を熱心にしている宮城県伊豆沼内沼の話をします。

     

    一度目を通してもらった方が話がわかりやすいです。↓

    伊豆沼・内沼におけるオオクチバスの出現と定置網魚種組成の変化

     

    宮城県にある伊豆沼の漁獲量を調べたデータですが、どうも不思議な点がいくつかあります。

    まず、各年ごとの全体の漁獲量があるのですが、1993年から1995年のタモロコやひがい類、モツゴなどの小魚類の漁獲量データがないということ。

    そして、ブラックバスが初めて漁獲されたのは1992年に220キロ、1993年から1995年まで漁獲されずに1996年の700キロが確認されています。

     

    明らかに1992年のバスが確認された時期は無視され、まるでバス出現と同時に在来種が減っているかのように紹介しているんです。

    在来種の代表格であるモロコやモツゴなどのデータがないため、本当にバスの出現と共に食害が原因でモロコやモツゴと言った在来種が大きく減少しているのか疑問が残るということ。

     

    さらに、1995年の漁獲量が全体で35トン、ブラックバスが漁獲され始めた最初の年である1996年の漁獲量が20トンでその内ブラックバスの漁獲量が700キログラムであるというデータについて。

    1年で15トンもの漁獲量が減っているのですが、その減った15トンはどうして減ったのか明確な理由がないということ。

    すでに数年前からバスは生息していたのに関わらず、その1年の間にバスが15トンもの魚を捕食したというのでしょうか?

    もし、1992年に確認されたバスが時を超えて1995年と1996年の間にだけ、バスの食害で15トンも減ったというのはあまりに不自然なことではないでしょうか。

     

    1997年にはバスの漁獲量が700キロから2トン、3トンに増え、生態的にも増えるステージにいるものと思われますが、明らかにバスの摂餌量を大きく上回る漁獲量の減り方。

    バスは魚食性の魚であるため、1年のうちに沼にいる魚を捕食していたということは間違いないようですが、全体的な漁獲量が減っているのは別の理由がある気がしてなりません。

     

    さらに、よく引き合いに出される絶滅危惧種(タイリクバラタナゴ、タナゴ、メダカ)が食害で大幅に少なくなっているというデータについては、伊豆沼に関しては魚の生存に必要なハス(スイレン科)が大幅に減少した年と絶滅危惧種が減った時期と重なっており、この件についてはブラックバスの食害だけに責任を擦りつけるのは無理があります。(もちろん、在来種はブラックバスの捕食されてはいると思いますが)

     

    引用元:伊豆沼・内沼におけるオオクチバスの出現と定置網魚種組成の変化

    ※この記事の記載に誤りがあれば修正はしますので、伊豆沼関係の方で異論があればコメントください。

     

    僕は大学生の頃、一度伊豆沼に行っています。

    その時の印象は雨の日だったというのもあり、どんよりしたイメージでした。

     

    ウィードが極端に少ないのも、小魚が減少した原因の1つではないか?と当時から疑問に思っていましたが、改めてデータをみると、絶滅危惧種など、在来種の減少には環境変化も大きく関係していると感じています。

     

    例えば、内沼に関する研究データがあります。

    気候変動により水草が減っているという研究データです。

    生態系は植物からはじまりますので、植物が減ると食物網で繋がる生物全てに影響が出るのは当たり前の話です。

    日本の水草に気候変動の影響 -120年・248湖沼のデータから見えてきた絶滅リスク-

     

    伊豆沼、内沼ではボランティアでバスバスターズと言う団体がブラックバス駆除をしています。

    http://izunuma.org/2_3.html

     

    もう1つ気になる点。

    当時、散々騒いでいたのに今になってこんな記事が出ています。

    『伊豆沼・内沼で 19 年ぶりにゼニタナゴの生息確認』

    あれだけ、ブラックバスに絶滅させられたなんて騒いでいたのに・・・

    これまで言われてきたブラックバスが在来種を駆逐するという表現が如何にオーバーだったのか・・・

    どこかでひっそりと生きていたのか、駆除活動がうまくいったのか、どちらかでしょうね。

    未だにバスの駆除活動が行われているのはまだブラックバスが生息していると言うことで「在来種を駆逐するから」と言われてきたブラックバスが何十年と在来種を食い尽くしていない何よりの証拠ではないでしょうか。

    琵琶湖と一緒で活動自体否定するものでもありませんし、地域的な活動ですのでどんどんやったら良いと思います。

     

    ただ、下記のブログでは「生態系を変えれば、魚は増える」との記載があり、僕もこの意見に同意です。

    魚を駆除すれば、増えようとしますし、生態系がどう変化するかわからないのです。

    生態系に手を出すのはアホのすることです。「inkブログ」

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    コメント

      • モーリー
      • 2020年 8月 12日

      初めまして。
      ブラックバスが特定外来魚となり駆除が正義と思っていましたが、どうやらそうでもないらしいですね。
      確かに、在来種も食べますが・・・

      滋賀在住で、自身は釣りはしないのですが、ブラックバス問題は耳にします。
      外来魚ボックスや外来魚だけの釣り大会などもあり、少し違和感を感じました。
      人間が持ち込んだものを、数十年たって根づいてから駆除とは論理的に破たんしていますよね。

        • niko
        • 2020年 8月 23日

        初めまして。
        調べていけばいくほど、生物問題に対して人がやることに間違いが多いことに気がつきます。

        ブラックバス駆除をしている人をせめるつもりはありませんが、この記事を完成させるにあたり、自分で調べ自分で考えてみることの重要性が増していると感じています。
        そうしなければ、自分が信じている正義は他人が作り出した虚像・錯覚の正義であると気がつかないからです。

        大事なことは地道ながらも自分で考えて調べていくことです。

        外来種問題についても、ただ世間の空気や流れに乗るのではなく自分自身で考え、表現する人が1人でも多く増えることを望んでおります。

        コメントありがとうございました。

      • おさかな
      • 2020年 12月 20日

      記事を拝見させていただきました。色々な視点から見た上で書かれており良いと思います。以下の点が気になったので訂正・意見させていただきます。
      >「さらに、よく引き合いに出される絶滅危惧種(タイリクバラタナゴ、タナゴ、メダカ)が食害で大幅に少なくなっているというデータについては、伊豆沼に関しては魚の生存に必要なハス(スイレン科)が大幅に減少した年と絶滅危惧種が減った時期と重なっており、この件についてはブラックバスの食害だけに責任を擦りつけるのは無理があります。(もちろん、在来種はブラックバスの捕食されてはいると思いますが)」
      まず、タイリクバラタナゴは外来種です。次に「魚の生存に必要なハス(スイレン科)が大幅に減少した年と絶滅危惧種が減った時期と重なっており」とありますが、少なくとも文中で出されている(タイリクバラタナゴ)、タナゴは二枚貝類に生活史を依存しておりハスが減少したため減少したというのは少々無理があると思いますがいかがでしょうか。また、本記事の主旨を「外来種(今回はブラックバス)を一方的に悪と決めつける前に考えてほしい。」と捉えました。私も減少の原因は複合的でブラックバス”だけ”ではないと思います。一方で、今回のケースだと、ブラックバスが肉食魚であり、在来種を少なからず捕食しているというのは紛れもない事実です。今後も、伊豆沼の魚類相の多様性(これに外来種の種数は含めないのが一般です)を維持して、生物多様性の恩恵を(人が)授与するためにはブラックバスの駆除は必要なことだと思うのですがいかがでしょうか。

      本論から少し外れますが、外来種問題についてよく「悪か正義」かという二面的な議論になりがちですがそんな単純なものではないと思います。過去の人々が「これはもっともらしいぞ」ということを議論しながらより「もっともらしい」ものを築いてきた結果であり、それが科学というものだと思います。問題提起をする、意見を述べるのであれば、自分が考える意見を文献などを適切に引用し、適切な場で意見し、議論することが必要ではないでしょうか。ご一考いただければ幸いです。

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