『シンカー素材選びの基礎』なぜ、ロックフィッシュのシンカー選びは重要なのか?!



ロックフィッシュゲームでは、ソフトルアー使用が主体

 

最近は、ハタゲームブームの到来、アングラーのレベルアップでハードルアーの重要性が浸透してきています。

しかし、ロックフィッシュゲーム(根魚釣り)では、まだまだソフトルアー(プラスチック素材などを使用)の釣りが主体なジャンルです。

 

大きな理由は二つあります。

 

一つ目は「根を直撃する釣りのため、引っかかりの少ないリグ(仕掛け)を選ぶ必要があること」

二つ目は「釣りのバーサタイル性、つまり多様性を求めて状況にあったセレクトをする必要があるということ」

以上が主な理由になります。

 

こうした二つの条件を満たしているリグの代表こそがテキサスリグ(ビフテキ含む)となります。

今回はロックフィッシュで多く用いられるテキサスリグシンカーの素材と使い分け、そして根掛りの外し方について解説をしていきます。

最後までお付き合い頂けると幸いです。

 

 

ロックフィッシュゲームに使われる3つのシンカーの素材

 

 

使用する素材は上記の3種類。

ちなみに大きさは違いますが、全て14gです。

まずは、素材の特性について説明していきます。

 

・ブラス(真鍮)

タングステン素材と一緒でレアメタルという素材の一種です。

各素材同じ重さなら、低比重でもっともシンカーが大きいです。

3種類並べた写真のシンカーは全て同じ重さですが、ブラス素材が一番大きいことが確認できると思います。

鉛よりも素材が硬いのにも関わらず、比重は鉛より小さいという特性があります。

値段としては、3つの素材の中で真ん中くらいです。

北海道で人気の丸型形状なども販売されています。

 

・鉛(なまり)

釣りに使われるもっともポピュラーな素材です。

ジグヘッドなどの他のリグで最も使用される素材となります。

また、釣りで多用されるように様々な形のものが販売されています。

しかし、その多用性とは反対に素材が柔らかく、変形しやすいというデメリットがあり、この性質が根掛かりを外しにくくすることもあります。

値段としては、最も安価で一キロパックなどで大量に販売されています。

 

・タングステン

ブラスと一緒でレアメタル素材の一種です。

釣り具で販売されているのは、タングステン樹脂素材とタングステン合金素材の2種類があります。

強度は極めて高く、岩礁帯に擦りつけていても変形しにくく、破損しにくい素材です。

また、画像にある通り、鉛素材とブラス素材に比べて、高比重のため他の素材のシンカーに比べて小さいです。

つまり、金属がより密集しているのでコンパクトなシンカーなのです。

釣りのシンカーとしては、最高峰のため最も値が張ります。

それでは、実際の釣りではどのような特性を用いて使用すれば良いのかをご紹介していきます。

 

鉛素材の特長とデメリット

 釣りで使用する特長

 

・様々な形やペイント入りのシンカーが発売されており、多種多様なシンカーを選ぶことができる。

釣りで使用するたくさんのシンカーが販売されており、ブラクリ、丸型、長、亀甲など様々選ぶことができます。

 

・お財布に優しい。

前述したように、最も安価なため少ない資金で大量に購入することができます。

根掛りが多発するロックフィッシュゲームでは、非常にありがたいことです。

僕も初期の頃は一キロパックなどを各号数ごとに購入し大量買いしていました。

 

・ブラスとタングステンの中間のような特性

非常に曖昧ですが、ブラスとタングステンの中間のような比重と体積のため、オールマイティに使いやすいのも特長です。

 

釣りで使用するデメリット

 

・感度が悪い。

潮の流れが速い日に釣りをした場合、急に底どりが悪くなり、底にシンカーが着いているかわからない状態が多いです。

シンカーの着底がわからないまま潮に流されて根掛かりしていたということも少なくありません。

気がつかず底に着いていて、潮で流されてそのままコロコロ転がり、岩に挟まっていたということを何度も体験しています。

そして、対策として底どり感を良くするために、シンカーを重くするのですが、重くすればするほど根掛りがしやすくなり、よりシンカーをロストしやすいという悪循環に陥ることもしばしばありますので注意が必要です。

 

・素材が加工しやすいため、基本的に変形しやすい。

水中の岩などに引っかかった場合、変形しやすい素材が影響し、どんどん岩に食い込んでしまい、根掛りが外れなくなってしまうことも・・・

 

・鉛害

鉛が水中に蓄積されてしまうと、そこに住む生物全般に悪影響を与えると言われ、最悪死滅してしまうというデータもあります。

釣り人は、長期的に見てそこを考えて行動する必要があります。

また、使い捨てのような使い方もしてはいけません。

 

・飛距離が出にくい

タングステンなど高比重の素材に比べ、シンカーに風や空気抵抗があるため、飛距離が出にくいデメリットがあります。

 

僕が主に使用している鉛シンカーをご紹介

三陸発祥のナツメ重り(餌用品として売っています)

安価な一キロパックで販売されているため、大量に購入しやすいです。

 

デコイのバレットシンカー

 

このバレットシンカーは鉛素材にしては感度がよく、よく飛ぶのでおすすめです。

 

ブラスシンカーの特長とデメリット

 釣りで使用する特長

 

・フォールスピード(底まで落ちていく速度)を遅くできるという最大の利点

ロックフィッシュ、例えばアイナメやソイなどはフォール時間に食いついてくることが多いです。

そのため、ブラス素材のシンカーで、フォールスピードを遅くしてアピール時間を長くすることができます。

 

また、ハタ類に関してもフォールのタイミングで7割食ってくる、と言われています。

いずれにしても、アピール時間を長くすることができるメリットは外せません。

場合によっては、他の素材よりも釣果アップすることも。

 

・キラキラ効果

塗装されているものも販売されていますが、基本的に金色です。

そのため、金色のキラキラが魚に対してアピールすることに繋がり、釣果アップが望めます。

キラメキを重視したタイプのシンカーも販売されているほどです。

 

・鉛以上の感度で底どりもストレスなし

感覚的な話となりますが、素材自体が硬いため、底どり感覚が明確です。

そのため、釣りをしていてストレスになるということはありません。

初心者の方にこそ、使って欲しい素材です!

 

・鉛はちょっと、でもタングステンは高すぎる!という人向け

値段の問題です。

大量消費する可能性が高い、シンカーはできるだけ安く済ませたいという人も多いと思います。

鉛だと環境や上達も考慮してちょっと嫌だという方、タングステンは高すぎるという方でも、中間くらいの金額ならば、とブラス一択にする方も多いです。

現に僕は釣行用として、こんな感じにストックしています。

 

ブラスシンカーを釣りで使用するデメリット

 

・腐食が速い。

塩分が付着すると、シンカーの傷から腐食が進行し、青サビが出ます。

ここが他の素地と違うところですので、釣行後は必ず真水で洗うようにしてください。

 

・抵抗が最も大きく、飛距離が出ない。

フォールスピードを遅くすることができるというメリットにもなる体積が大きいという点ですが、飛距離という点でデメリットになってしまうのです。

投げ比べて見ると一目瞭然ですが、飛距離が出しにくいです。

 

・シンカーが大きくなる分、シルエットが大きく見えてしまう。

例えば、小さいソフトルアーをテキサスリグにセットした時にシンカーが大きく目立ってしまうデメリットがあります。

かなり、シビアなタイミングでこれが差になることもあるかもしれません。

大きめのブラスシンカーには3インチくらいまでのサイズが望ましいです。

 

僕が使用しているブラスシンカーを紹介

プロズワンから発売のクランクシンカー

 

2種類の使い方ができるのが特長で、重心が下にあるため他製品に比べて飛距離がでます。

また、根掛かりがしにくく感度が高い特長を持っています。

製作者のこだわりを感じます。

 

高感度!タングステンシンカーの特長とデメリット

釣りで使用する特長

 

・岩に擦れようが、当たってもなかなか壊れない、変形しない

強度が半端なく、ガチガチの岩礁帯にこすっても、勢いよく当ててもなかなか削れたり、壊れません。

かなりの強度です。

 

・高感度!底に沈んでいるものが想像しやすい。

素材自体が硬いため、海の中での底どり感覚が明確なことに加え、底にあるのが岩なのか、砂利なのか、砂なのか、海藻なのかわかりやすいです。

こうした情報取得の差は釣果にも結びつきやすいです。

そのため、釣りが上手になります!

なぜなら、釣り場に何が沈んでいるのかをしっかり理解できることで水中をイメージししやすくなり、どんどんこの釣りへの理解が進みます。

 

・潮の抵抗を受けにくく、早く沈む。

タングステンシンカーは高比重、体積が小さいのです。

つまり、同じ重さで考えれば、他のシンカーよりコンパクトなのです。

そのため、潮の抵抗を受けにくく素早く底まで沈んでくれます。

こうした恩恵は、深場になればなるほど威力を発揮してきます。

さらに、底に沈んでいても潮の抵抗が受けにくいのでワームがキビキビ動きやすいです。

 

・空気抵抗が少なく、飛距離抜群。

先ほども記載していますが、タングステンシンカーは高比重で、体積が小さいです。

そのため、キャストする際も空気抵抗が小さくよく飛んでいきます。

長い竿と空気抵抗の少ないワームとの組み合わせによっては100メートル以上を飛ばすことも可能です。

陸っぱりからどうしても届かせたい場所がある場合は、タングステンシンカー一択です。

 

・硬い素材のため、根掛りが外れやすい。

硬い素材のため、岩などと接触した際に互いに弾きやすくなります。

そのため、根掛りが外れやすいのです。

鉛を使っていて根掛りだらけの場所でも、タングステンに変えると感度向上もあってか、根掛りが激減することが数多くありました。

タングステンは上達しやすいため、可能ならどんどん使用した方が良いです。

 

・リグのシルエットが綺麗。

タングステンは、体積が小さく同じ重さの素材違いのものに比べ、シルエットが綺麗に出ます。

特にスイミング系のワームと組み合わせた時に魚からの見栄えが良いと思います。

バレット型のシンカーと組み合わせると、シンカーと合わせて一匹の魚に見えます。

 

タングステンシンカーを釣りで使用するデメリット

 

・値段が高い

1oz(28g)のタングステンシンカーは、一個あたりの値段が千円前後します。

比較的、大量に消費するためかなりお財布に厳しいです。

これが最大のデメリットです。

 

僕が使用しているタングステンシンカーを紹介(全て14g)

スタジオワンハンドレッドのバレットシンカーフリップ

 

スタジオワンハンドレッドのバレットシンカー

ジャングルジムのビーンズTG

 

これらの形には全て意味があり、使い分けることで釣りの幅が大きく広がります。

 

根掛りの外し方を考える

 根掛りの原因と釣り人側がその場でできる対策

 

根掛りをする原因は、テキサスリグを前提とすれば、根にシンカーが挟まっているケースがほとんどです。

はっきり言って、ワームや針が引っかかって取れないというケースの方が稀なのです。

つまり、シンカーの種類を変えることで根掛りを減らすことも可能だということです。

そういう意味でもシンカーの使い分けが重要となります。

 

また、もう一つ釣り人側として、根掛かりを減らすために、シンカーの底どり感覚を養う必要があります。

釣り人側の原因の一つとして、根にシンカーが着底した状態で放置してしまうと潮で転がってしまい、そのまま根掛りしてしまう状況が非常に多いです。

特に三陸などのリアス式海岸では地形も非常に荒く、潮に流されると簡単に引っかかります。

一投目で引っかかることも日常茶飯事です。

そのため、底についたら素早くシンカーをあげる動作が大事になってきます。

 

トン、ウン、トンというリズムではなく、トン、トンというリズムです。

根掛りのひどいところでは、とにかく底どりを感じたら次の動作に早く移すことが非常に大事です。

 

例えば、ワンキャスト目で底を感じたら竿を横にさびくのではなく、縦に素早く動かしてください。

すぐに竿を縦にさばく理由として、糸(フロロカーボン)を底から素早く離すためです。

 

そうすることで、ズルズルと糸が根に引っかからずに、いきなり根掛かりする現象を減らすことができます。

また、フリーフォール(テンションを掛けずにリグを底まで送ること)時に注意点があります。

 

底までフリーフォールすることで、シンカーだけが底についてしまい、先ほど述べた底に放置する時間を長くしてしまうのです。

そのため、引っかかりの激しい場所では、フリーフォールせずに糸にテンションを掛けた状態で底どりをすると良いです。

 

竿を専用のものにする

ロックフィッシュの釣りは他のバス用の竿でも代用が可能です。

しかし、根掛りの外しやすさは専用のものには劣ります。

そこは覚悟しなければなりません。

専用ロッドは特に竿の先端(ティップ)に張りがあります。

これが、根掛りの外しやすさの正体です。

実際の三陸で作られたロックフィッシュ用の竿は先端から端までガチガチにかたいです。

こんな竿で釣るのか!と最初は驚くくらいです。

しかし、根掛りをかわしながら、大型のロックフィッシュをダイナミックに根から引き剥がし、抜き上げるには竿がかたくなければ成り立たないのです。

シンカーをなるべく軽くする

さらに、根掛りを軽減させれるためにシンカーを軽くするという方法があります。

キモは底どりが出来る最低限の軽さのシンカーを見つけることです。

シンカーを軽くすることで、フォール時間を長く取れるというメリットもあり一石二鳥です。

根掛りで苦しんでいる方、ぜひ試してみてください。

 

根掛りかと思ったら、いきなり激しく竿を煽らない!

竿をいきなり強く煽ることでより根に食い込んでしまうという現象が起きてしまうのです。

特に鉛シンカーを使用していると顕著に出ます。

対策として、根掛りしたかなぁという感触があれば、テンションを軽くかけた状態で、軽く揺すってみて外れなければ、その後、少し強めに煽るという方法が一番根掛りを外しやすい気がします。

また矛盾するようですが、例外的に軽くスタック(引っかかっている状態)してると感じた時はいきなり激しく煽るケースもあります。

それでポンっと外れます。

 

いずれにしても、根掛りを何度かしているうちに(敢えてやる必要はありません)軽く揺すった方が良い感触、一気に外した方が良い感触を意識すると根掛かりが外しやすくなっていきます。

 

それで、この二つのパターンで外れなければ、思いっきり引っ張ったり、竿を大きく煽るしか方法はありません。

ロックフィッシュを釣る以上は根掛りと友達になるくらいの気持ちで臨むくらいが良い心構えです。

 

ナイロン素材の糸は根掛りにくい

意外や意外!

フロロカーボンラインがメインと言われているロックフィッシュゲームで、ナイロンを使うことはどうなのか?

僕は全然ありだと思います。

潮に流されやすくなり、底どり感覚が鈍るというデメリットはありますが、ナイロン素材の比重は海水に近いため、海水を漂います。

そのため、根掛りしそうになっても糸の特性から、より垂直に近い状態に抜き上げてくれるのです。

フロロカーボン素材の場合は、その比重から底どりを早めたいロックフィッシュに多用されることが多いですが、基本的に根に干渉し続けるというデメリットもあります。

最近のナイロン素材の耐摩耗性も向上していますから、スイミング主体の釣りに積極的に使うことも増えてきました。

また、東京湾のアイナメ釣りでは、現在もナイロンの3号直結で釣りをされている方も多いです。

船長も推奨しているくらい根掛りが減りますね。

フロロカーボンに比べて、糸が切れやすい?という心配は使って見てから判断してみてください!

ナイロンは意外に切れませんよ!

 

完璧な方法はない

どんなにうまい人で根掛りはします。

そして外せない根掛りも多いです。

複雑でややこしい岩礁地帯やゴウゴウとしている水草周りにリグを入れるのですから仕方ありません。

むしろ、根掛りする場所にこそ、ロックフィッシュは隠れていることも多いですので、果敢にチャレンジする精神は必要が大事です。

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