結局・・・
釣りをするのも、釣具を買うのも、何かを作っているのも、「思い出作り」なのかなぁと最近思っています。
そんなことを考えながら、今回は、記事を書く理由とこれからの釣り業界のために僕ができることを考えていきたいと思います。
原点にあるもの
2019年の春の段階で、完成させたい記事が50個以上「下書き」で保存しています。笑
書きたいことがありすぎて、作業が追いつかないという状況で、こうした記事を書くことも限られた時間の中で行っています。
そのため、なかなか進まないというのが現状ではあります。
このサイトでは、釣り人がレベルアップするために必要な知識面をわかりやすく解説することを主に書いています。
その分、時間がかかってしまうのです・・・
モドカシイ・・・
こうした釣りの記事は収益で考えれば、割りに合わないですが、やっぱり書きたいから書いています。
釣りを楽しんでもらうために、自分が知っている知識をシェアしたいという思いが昔からあり、何となくSNSで釣果を公開したりしていましたが、ある時を境に釣果自慢ではなく、単純に釣りのサイト運営という方法で世の中にアウトプットする方法を思いついたのです。
そして、ここまで書いてきたのもいつも読んでくださる皆様のおかげです。
あらためてお礼申し上げます。
先日、品川にある鯉の釣り堀に行ってきました。
そこの鯉は品川という立地的にも、連日多くの釣り人やファミリーが訪れ、鯉もなかなか簡単に釣れない状況でした。
釣り堀に到着10分程度で僕が2匹の小さな鯉を釣り上げると、後ろから元気の良い少年が声をかけてきました。
「どうやったら、釣れるんですか??」
小学生くらいの男の子の素朴な疑問に、応えたくて一生懸命僕は回答していました。
「餌を針が隠れるギリギリくらいまで小さくしてみて、ウキを沈むのを良く見て、竿を立てるんだよ」とシンプルにアドバイスしました。
アドバイスをしてから少しして、親御さんが挨拶にきました。
反対側にいた男の子のご家族全員が僕の隣に移動してきて釣りをし出しました。
僕が様子を伺うと、数十分釣りをしても、魚が釣れないそうです。
僕は自分の餌をつけた針を見てもらい、「同じようにつけてみてください」とお父さんにアドバイスしました。
その10分後にお父さんが釣れ、終了ギリギリにその小学生の男の子がサイズの良い立派な鯉を釣り上げたのです。
家族全員にお礼を言われ、照れ臭いながらも嬉しい気持ちになりました。
「あの時の少年よ!良かったね!」
この時、実は自分の釣りに集中しておらず、少年が釣れることを願っていたことを今でも良く覚えています。
そのため、家族が帰った後、1時間釣り延長しました。笑
何が言いたいかというと、「僕は人が釣りを通して楽しんでくれることがまるで自分のことのように嬉しい」のです。
だからこそ、こうして記事を書き続けられているのかなぁとも最近感じています。
ユーザーのプロ化
日本で淡水海水問わず、ルアーフィッシングが浸透してすでに数十年の時が流れました。
エギングやライトゲームなど、まだ歴史の浅いジャンルもありますが、昨今の釣り業界の特長の1つに「ユーザーのプロ化」があります。
(ここでのプロという表現は単純に、メディアプロ並みに釣りが上手く知識があるという意味で使っています)
雑誌や釣り番組、ネットでのインプレなど、ここ数十年で多くの情報をアングラーが簡単に得られるようになり、プロ以上に詳しい人が出てきました。
釣具店に勤務していた頃、超オタク的なお客さんを何人も目の当たりにしてきました。
例えば、特殊な工具がないと開けられないリールを全部バラして注油して、調整することが出来る方もいれば、アブのリールの部品を細かいものまで全部把握してる人、ローカルな情報をかなり深く知っている方もいましたし、雑誌にも載ってないマグロのキャスティングゲームのキモを教えて頂いた方もいました。
当時はそんな話のたびに、釣りという趣味の奥行きと深さに感銘を受けました。
何十年と釣りをしている中上級者レベルのユーザーが明らかに増えているのだと実感しています。
当サイトでは、そんなユーザーの話を聞いてお届けしたいと言う思いがあります。
世間的には、そういう人はスポンサーなどが付いていないアマチュアですが、スポンサーが付いていない釣りうまの人は本当に良い知恵や知識を持っています。
そういう情報はまだまだ世の中に出ていないと常々感じています。
ローカルとネットワークを繋ぐ
ネット社会と言われて等しいですが、ネットワークとは1つの資産や情報をみんなで共有するもの、その対比にある言葉がローカルと言います。
釣りという趣味は極めてローカル性が高いです。
他の趣味に比べ、これほど地域差がある趣味も珍しいのではないでしょうか。
ローカルアングラーと表現しますが、まさにローカルの情報こそ必要になってくると感じてます。
例えば、釣具の商品名に地域名が入った商品を見かけると思います。
それこそが、ローカルの知恵の結晶であり、釣りのヒントそのものなのです。
情報も一緒ではないでしょうか。
ロックフィッシュゲームと一言に言っても、ハタを狙うのか、アイナメなのか、メバルなのかで全く話が違い、地域性を考慮すればアングラーの数だけ釣りがあるのは、すでに周知の通りです。
三陸ロックと一纏めにしても、岩手と宮城県では、話が変わることも多いです。
「この魚はこう釣れ!」と勝手にまとめ、表現してるのは人間側の都合であって、そうした先入観は時として、実際の釣行では役に立たないケースも多いです。
その場合、足りないのはローカルな知識と自然を感じる力、自分自身で調整する力。
当メディアでは、ローカル性が強い情報を取材しまとめ、共通項を探し出すことで、魚釣りを楽しむために大事な本質が見えてくると考えています。
釣りという趣味はローカル性が高く、インターネットの登場により、ネットワークの時代に切り替わったとは言え、ネット上の情報の希薄さがより目立ちます。
一般的にスタンダードな釣りを紹介している入門向けの記事や情報は無数にありますが、ルアーフィッシングの紹介の在り方として疑問を感じざるを得ないのです。
商品を売るための義務教育的な正解を提示されて釣るよりも、自分でアレコレ柔軟に考えて試した方が得るものは大きいと思います。
その知識や知恵を提供するメディアとして皆様の役に立てることを目指しています。
同じ波はない
プロサーファーの方がある本でこんな話をしてました。
「一度として同じ波は存在しない」
これは海の潮の動きだって一緒ですよね。
一見同じように、一定のリズムで繰り返される潮の動きや波は、少しずつ何かが変わっているのです。
そんな小さな変化が積み重なって、海の中は大きく変化していくのです。
究極釣りのセンスがある人は「ちょっとした変化に気付けるかどうか」という部分じゃないかなぁと思ってます。
別の言い方をすれば「自然を感じる力」です。
子供達に釣りを教えたい
今こうしてパソコンを使ってカタカタと記事を書いているわけですが、これからの時代はこうした仕事がどんどん増えてくると思います。
次世代型のスマホやパソコンも進化して、どんどん最新の機械が増えていきます。
テレビゲーム(すでに死語か?笑)の映像もかなり綺麗で、ゲームの大会も世界各地で行われて、賞金を稼ぐプロまでいます。
まぁ、何が言いたいかというと、光を放つ画面に多くの人が注目している時代になりつつあるということです。
そんな時代だからこそ、自然光を浴びる釣りという遊びを知って欲しいと思っています。
VR(ヴァーチャル映像)がどんなに発展したとしても、実際に自然の中で感じる風や香り、空気感や音などの複雑な自然からの情報は自然の中でしか感じることができません。
映像技術やゲームの技術が発展しても、リアルに勝る経験を超えるのは難しいと思います。
例えば、夏なんかは暑いですが、人間は風が吹いたら気持ち良いと感じることができます。
実は淡水魚も風が吹くと水が少し流れて気持ち良いのです。
こんな感性は釣り場でしか養うことができませんよね。
釣具企業は売ることに注力していますが、次世代のアングラーを育てるのもまた1つ大事なことではないでしょうか。
会社は利潤を追求する場所である以上、釣具という商品を売り込むのは当たり前のことですが、自然との遊びの普及にもより力を入れるべきではないかと思います。
例えば、D社が積極的にやっている格安の入門DVDやイベントやキッズアングラーの釣り教室は本当良い企画だと思います。
最近、素晴らしいなぁと思ったことがあります。
2019年の6月号のバサーです。
バサーと言えば、中級者以上向けの記事やハイレベルな考察、そして、写真がとにかく美しい雑誌として認識しています。
そのバサーが子供達への釣りの指導方法などの記事を出してきました。
釣り人口が減っている昨今、影響力のある雑誌だけに素晴らしい取り組みだと僕は思っています。
釣りをする人がどんどん高齢化して行くと、釣具も最新のものは売れにくくなるし、釣り自体の成長もなくなってしまう気がしています。
絶対に若い世代の力はこの業界に必要だと思っています。
釣りキチ三平があれだけ柔軟な釣りをするのも「子供ならでは」と常に考えています。
僕も、まだ若い部類に入るかもしれませんが、すでに釣り業界に危機感を感じている1人ですので、未来のために子供達へ釣りの素晴らしさを伝えていきたいと思います。
最後までご覧くださりありがとうございます。
この記事へのコメントはありません。