最近は何とかブームなどと言って、女性がアウトドアに参加する機会が多いです。
しかし、釣りに関しては雑誌で出ているような女性アングラーが極めて少ない気がします。
かなり主観的ですが、実際どこの釣具屋店長も同じことを言います。
僕が釣具店に勤務していた時も女性のお客様は基本的に連れ添いで、一人で進んで釣りをしているという方はなかなか見かけませんでした。
これは都内全体で言えます。
そこで今回は、某大手企業がシェアを拡げようとしている釣りガールがなぜ増えないのかを考えてみました。
最近はマーケティング戦略で多くのアウトドア業界が、釣りや山での趣味を一大ブームにし、文化を作ろうとしています。
しかし、女性視点で考えてみるとハードルがあると感じざるを得ません。
今回は、そうした女性ならではの課題と問題点、そして本質について僕なりに迫っていこうと思います。
釣りガールが増えない8個の理由
1 餌が触れない
そもそも、生き物を扱う趣味ですから、致命的な理由ですので触れない方は基本的に単独で釣りに行くことは難しいと感じています。
餌が触れないという人も多いですが、生きた魚が苦手という人もいます。
2 汚れるのが嫌だ
釣りをする上で、潮をかぶることもあれば、突然雨に打たれることもあります。
また、コマセや餌で汚れることも多いと思います。
エギングをして、イカに墨をかけられることもあるでしょう。
ある程度、汚れても良いと考えられる人でなければ釣りという趣味は成立しません。
3 トイレがない
僕は、釣りガールが増えない最大の理由がトイレがないことだと考えています。
例えば、海釣り公園など家族団らんするような場所であれば、必ずトイレが完備されています。
しかし、堤防や地磯(堤防とつながっている磯)、砂浜など釣りが出来そうなとこにトイレは極めて少ないです。
近くにコンビニがあれば良いかもしれませんが、ローカルなところが多い釣り場でトイレが近くにあることは稀な気がします。
磯なんかは、全くありません。
男性に比べ、身体の機能が違う女性にとってトイレがないことはかなり難易度が高くなる趣味と言えます。
船釣りも一緒です。
最近はどこの船宿もトイレあるよ!って言う方、それは違います。
大事なのは、男女別に別れた清潔なトイレです。
海に垂れ流し、男性と共用のトイレは正直、使用したくない!って言うのが女性の本音ではないでしょうか。
4 体を守る本能
女性の会話でこんなことを聞いたことありませんか?
「今日は暑いね~」
「寒くなって来たね~」
「雨降ってきたぁ、やだなぁ」
「擦り傷してすごく痛い!」
男性からしたら、だから何?と言う会話ですが、この言葉の中に女性の身体に対する本能が隠されています。
どういうことかと言いますと、女性は子供を産むという母体としての役割があります。
そのため、自身の身体を守るということが、最優先なのです。
つまり、厳しい環境が嫌なのです。
そう考えると日中のテッカテカの太陽、突然の雨、変化する外気温、吹き付ける海風、朝の冷え込み、虫…などなど
自然の中にいることで感じる全てのことに警戒してしまうのです。
これは本能ですから仕方ありません。
身体に気を遣って非常にデリケートなのです。
5 移動手段がない
例えば、女性が高速道路を利用して遠くに遠征に行くという行為は男性に比べ、精神的にも肉体的にもハードルとなります。
全ての方に該当することはありませんが、全体的な傾向としてそうだと思います。
また、電車内で釣りに行ったとしても魚を生で持ち帰るのに抵抗があり、なかなか釣りに踏み切れない点が多いのではないでしょうか。
6 基礎体力不足
自然環境の中にいるというのは、非常に体力を奪います。
照りつける太陽による紫外線、体温を奪う風、そして、立ちっぱなしで釣りをし続けなければいけません。
そのため、釣りをするには基礎体力が必要となります。
7 釣具屋がお洒落じゃない
これは実際にアウトドアガールに直接ヒアリングして聞いた話です。
基本的にサーフィンなどはショップにいてすごく楽しいそうです。
女の子が喜ぶお洒落な外観、商品、陳列POPなどがあり、すごく楽しく、盛り上がるそうです。
山登りに関しても、都内のアウトドアショップはイケメンの店員に、綺麗なアパレル商品がたくさん置いています。
鏡や衣装室があって試着もしやすいです。
つまり、買い物が楽しいらしいです!笑
釣具店にはそこがかなり欠けているとズバリ言われてしまいました。笑
8 脳の違い
ここからはちょっと脳科学の話になります。
最近、男性脳と女性脳は明確な違いが解明されてきました。
そこで男性脳と女性脳の大きな違いの1つに右脳と左脳の回路の連携の仕方があります。
どういうことかと言いますと、女性脳は実は左脳と右脳の信号を切断することができません。
それに対して、男性脳は切断することが可能です。
つまり、男性はボーと何も考えずにいることが可能なのです。
釣りで何もしない時間が女性にとって少し苦痛でしょうがないのです。
待つことができない女性が多いのも脳の違いにあったのです。
まとめ
トイレ、外的環境などの釣りをする環境を整えない限り、いくら可愛いアウター、ウェアを開発しようが、女性が好きそうなアイテムを作ろうが、一般的な女性がブームを起こすことは難しいと考えるべきです。
今回は、まるで釣りは男性の趣味だと言わんばかりにボロクソに言ってしまいました。
しかし、課題が明確である以上そこをクリアできればどんどん女性のブームを作ることは可能だと感じています。
つまり、物作りよりも先に女性への情報提供とサービスが必要なのです。
釣具業界の視点はそこから大きくズレている気がします。
物作りのように男性へのターゲット感覚で進めてしまうとやはり上手くいきません。
登山やボルダリングが女性に人気の趣味になっているように、お店作りや情報、サービスの見直しなどをしていく必要があるのではないかと感じています。
僕自身、釣りという素晴らしい趣味を嗜んで頂いている全ての女性アングラーをリスペクトしています。
そして、一人でも多くの女性に釣りをしてもらいたいと考えています。
なぜなら、一度しかない人生の中で釣りという趣味を選んでいただき、かつ挑戦しているからです。
また、こうした趣味に挑戦する女性の方を全力で応援したいとも考えています。
そのため、この内容をみてくださっている業界の方、メーカーのみなさん、もし機会があれば女性が増えにくい根本的なものを解決する商品、情報、サービス方法を考えると新たな市場が開拓できるかもしれません。
女性アングラーを幸せにする物がたくさんあって、そして初心者の女性の方が笑顔になれる釣りをみつけるのが最近の課題だと感じています。
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