アイナメが釣りづらくなった現実(東北)
東北では、大会の増加などでの人のプレッシャーの影響もあり、アイナメが賢くなったと言われます。
現になんども魚が釣られると学習するという実験結果も出ています。(ブラックバスによる実験)
今回紹介した話はブラックバスによるものですが、ロックフィッシュも同じような実験結果になるのではないか?と想像しています。
アイナメなんかも個体差によっては、釣れにくかったり、釣れたりしやすい個体が多いと思いますが、基本的に釣れるたびに学習していくのではないかと考えています。
また、単純に個体数が減っていることも大きな要因であると思います。
個体数が減る要因はまだはっきりとはわかりませんが、近い将来アイナメがさらに貴重になる時代がくるかもしれません。
流行りのロングスピン釣法にも限界?
昨今は手前の魚が口を使わない対策としてロングスピン釣法という新しいメソッドが誕生していますが、全員が遠投しだした影響で、さらにプレッシャーは高まるばかりで、より沖側に魚が出てしまう現象もあるとの情報がありました。(岩手県)
しかし、僕個人の意見としては餌がある以上は堤防に寄り付いてくるのが魚だと思います。
昔みたく、フォールだけで食う魚が少なくなったのは間違いありませんが、攻略の糸口がない訳ではないと思っています。
そのためロックフィッシャーマンは次なるステップに進む時期に入ったと感じています。
具体的には、ライトリグの投入や食わせに特化した釣り方が考えられます。
ロックフィッシュがルアーで釣れると認知されていた時代の重いテキサスリグにホッグ系のワームでベイトタックルで、という図式が少しづつですが崩れつつあります。
ますますロックフィッシュ一匹一匹に対して、丁寧にアプローチしなくては釣れない時代に入ったかと感じていますし、仲間内でも数年前よりも釣りにくくなっているという声が多いですね。
かつて、ブラックバスが釣れにくくなっていく時代にそっくりで、同じ流れをロックフィッシュ界でも起きるとすれば、アングラー側の技術向上はレベルアップはよりスポーツ的に進化していくんだろうと思っています。
具体的には、飛距離を稼ぐためのメソッドの共有であったり、ブラックバスアングラーが辿ったルアーの使い分けや誘いの技術向上と言った道を同じく歩いていくイメージです。
ブラックバスは地方ではややイージーな釣れ方が多いですが、関東ではなかなか釣れない魚として認知しており、未だに簡単に釣れる魚ではなくなっています。
遺伝子の問題や人的プレッシャー、ルアーの学習など様々な要因が考えれらますが、同じようなことがロックフィッシュのメッカである東北でも起きてきるのです。
僕は個人的にブラックバスのようなフィネス的アプローチがメインの釣りに変貌していくのではないかと睨んでいます。
※フィネスというのは繊細さという意味です。
海のロックフィッシャーの釣りをみていると、まだまだ動かし方が雑です。
関東のバス釣りを経験していると、かなり丁寧に釣りこまないと魚と出会えません。
打ち込む位置も、着水音もこれでもかというくらい気をつける必要があります。
着水音で食う食わないが決まるポイントもあり、いつもそのシビア差に引き込まれていますね。
もちろんロックフィッシュにおいて、ワームが小さければ良いわけではなく、あくまで餌に合わせたフィネス的アプローチという意味でありますし、反対に大きいワームの方が釣れるメソッドが存在するかもしれませんし、これからの研究課題と言えるかと思います。
アイナメは生態系では強いのか?
関東では、カサゴとアイナメが混在しているエリアがありますが、どちらかと言えばカサゴの方が強いのではないかと感じています。
(個人の主観です)
例えば、有名なテトラを打つとムラソイが釣れ、いなくなるとカサゴが釣れ始めます。
そして、アイナメが最後に釣れるという感じです。
単純にムラソイがテトラの穴の中では先に口を使うということもあるかもしれませんが、明らかにムラソイの数に対して、アイナメが弱いです。
東北ではアイナメがテトラの穴の中で釣れますが、関東ではテトラの穴釣りというよりは移動してきた個体を狙う釣り方がメインです。
沖の根を直撃したり、テトラの先のエッジを打ったりするとアイナメが釣れます。
しかし、一級のポイントを打つとなぜか、カサゴやムラソイが釣れてきます。
こうしたことから、個人的にムラソイ、カサゴ、アイナメの順にストラクチャーに居着く順番が決まるのではないかと感じます。
実際、関東ではアイナメは冬限定の釣りで岸から年中釣れる魚ではないため、データ不足感はありますが、個人的な感覚として、アイナメはロックフィッシュの生態系の中では弱い部類に入るのではないかと感じています。
※あくまで個人的な感想です。
アイナメが絶滅する東京湾?
東京湾ではアイナメのブラクリ釣りが盛んで、かつては船釣りも賑わうほどの有名な釣りだったと言います。
しかし、東京湾の環境変化や釣り人が釣り過ぎてしまうことで、アイナメの個体数の現象に拍車をかけていると聞いたことがあります。
特に個人的な見解として、東京湾の環境変化で最も大きな要因は酸素不足であると感じます。
以前、東京湾のハゼが非常に減っていると記事が2015年頃に出ていました。
ボトム付近の酸素量が不足してハゼが増えることができないと・・・
アイナメは酸素不足に弱い魚ですので、ダイレクトに酸素量が生態維持に影響します。
そのため、どんどん沖側に離れていってしまうか、数が減っているものと思われます。
その証拠に今、横浜からアイナメのブラクリ釣りをしている船宿さんは一隻のみです。
一人釣れて数匹レベルの釣果のようですので、この先アイナメのブラクリ釣りに未来はあるのか少し不安です。
横浜沖堤防への渡し船の船長に何度かアイナメ釣果について聞いたことがあるのですが、「ほとんど釣果なし」と言われてしまいました。
たま〜に投げ釣りをしていて、釣れる程度であるとのことです。
渡船屋の親父曰く、「釣られすぎていなくなった」とのことでした。
僕もこのアイナメをルアーで釣るのに非常に苦労しました。
内容はとにかく厳しいの一言でした。
本当に魚がいるのかどうか疑心暗鬼になっていましたが、なんとか魚をキャッチできました。
人生で一番厳しい釣りだったと記憶しています。
釣り人が減らしてしまった可能性が高いアイナメですが、これだけ数が減ってしまうと釣りの対象魚として成り立ちません。
今後、三陸がそうなっていくとは言い切れませんが、アイナメの個体数がどんどん減っていく現象が起きるのではないかと危惧しています。
多くのアングラーがキャッチするアイナメという魚は実は非常に貴重な存在で、より丁寧に扱っていく時代がきたと感じます。
毎回、書いていますが、アイナメのオスは貴重です。
産卵期のオスは速やかにお返しください。
東北の産卵期10月から1月 関東の産卵期11月か12月
また、ロックフィッシュ全体に対して、優しい気持ちで接して頂けると幸いです。
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